ものづくり文化で、訪日外国人拡大を目指す...中部広域観光推進協議会

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広域観光周遊ルートを説明する太田国交相(12日・衆議院)
広域観光周遊ルートを説明する太田国交相(12日・衆議院) 全 2 枚 拡大写真
観光庁は6月12日、全国7つの「広域観光周遊ルート」を認定した。政府が目指すさらなる訪日外国人拡大、年間2000万人突破に弾みをつける施策だが、これに自動車、航空産業などのものづくりが一役買いそうだ。

日本の観光といえば、日本的な風景と豊かな自然、そして買い物が中心だ。選定されたルートのほとんどは、例えば北海道の「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」(『プロムナードひがし北・海・道推進協議会』)のように、富良野、知床、釧路など自然を堪能できる、というのが一般的だ。

その中で唯一、中部(東海・北陸・信州)広域観光推進協議会は、「ものづくり文化の活用」をルート形成の計画概要の中に盛り込んだ。

「中部地区には、世界に通じる自動車産業や航空産業がある。工芸品の伝統から続く、現代までのものづくり文化は大きな観光資源と考えている」(同事務局)

昇龍道(SHORYUDO)と名付けられたルートは、来年開催のサミット開催地、伊勢志摩(三重県)から名古屋、世界遺産の白川郷(岐阜県)金沢(石川県)を巡る。もちろん風光明媚な自然はあるが、この中に、ものづくり文化を盛り込むというのだ。昇龍道という名称は、龍が体をうねらせて天に昇る様子になぞらえたものだ。

「外国人にどんな対応ができるかを含めてこれから検討する」(同上)というが、協議会では各種の産業博物館、工場、工房見学や、陶磁器や金箔、漆塗りなどの伝統工芸ものづくり体験などに期待を寄せている。

同協議会によると、すでに一部の日本酒の酒蔵は、外国人向けの観光マップなどにも紹介し、見学者が増えて好評だという。また、愛知県のトヨタ博物館は、2013年頃から外国人向けのパンフレットの配布が多くなり「アジア諸国を中心とした外国人来館者が目立ってきた」(同館企画広報グループ)という。

太田明宏国土交通相は「7つのルートを活用して、外国の方々がより一層日本を訪れて楽しんでいただければと思う」と、全国地図にルートを示して会見に臨んだ。具体的なルートの完成が待たれる。

《中島みなみ》

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