運輸安全委員会は、米国連邦航空局(FAA)が、航空機のリチウムイオン電池に新しい基準を策定したと発表した。
運輸安全委員会は、2013年1月16日、山口宇部空港を離陸し羽田国際空港に向かっていたANAが運航する『B787-8型機』が四国上空を上昇中、メインバッテリーの不具合を示す計器表示とともに、操縦室内で異臭が発生したため、高松空港に着陸したケースを重大インシデントとして調査してきた。
調査結果を2014年9月25日、航空事故調査報告書として公表するとともに、FAAに対して安全勧告を行っていたが、今回、FAAが安全勧告に対する措置について通知があった。
FAAでは、航空機用リチウムイオン電池の新たな基準を策定した。実運用を模擬して航空機装備品の試験も実施した。
787型機バッテリーシステムは再設計され、新しいリチウムイオン電池の安全評価に基づいて承認するほか、セル間の熱伝播リスクが適切に評価できるように明確に対応した。
また、787型機の設計・製造者であるボーイングに対して指導したとしている。バッテリーセル設計を継続的に見直す過程で、ボーイングは内部短絡の発生メカニズムの研究を継続し、リチウムイオン電池の製造過程も調査している。これにはBCUとコンタクターの動作の改善も含まれているとしている。