ドラッグ密売大手…イタリアンマフィアの手がオーストラリア政界に

エマージング・マーケット オセアニア

ABC、フェアファクスが独自調査を発表

 6月29日、ABC放送がフェアファクス・メディアと共同で行った調査結果から、「イタリアのカラブリア・マフィアがオーストラリアの与野党古参政治家の周辺にも食い込んでいると報道した。アマンダ・バンストン元保守連合連邦閣僚が駐ローマ豪大使を務めていた時期にはマフィア有力者の家族が大使館に就職していたことも判明している。

 ABC、シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 両者の1年間にわたる調査の結果、「ンドランゲタ」と呼ばれるイタリア・カラブリア州を本拠とするマフィアは最大の勢力を持つグループで、世界的なドラッグ密売網を牛耳るグループの一つといわれており、何人かの著名政治献金者を使って、その活動に合法性のカモフラージュを施していたと判明している。

 オーストラリア国内では青果業とドラッグ双方のビジネスで脅迫と暴力を使って影響力を広げてきた。また、複数の著名政治献金者がマフィアの大立て者の依頼で、献金者の関係する事業への便宜を求めるロビー活動をしていたことも明らかにされている。

 また、バンストン駐ローマ豪大使の時期に、マフィアのボスの一人と目される人物の息子が「職業経験」として、豪大使館で働いていた。バンストン氏は、「その人物が大使館で働く前にイタリア当局がそのマフィアのボスとされる人物に関する機密情報を豪大使館を通じて送っていた」と語っている。それだけでなく、バンストン氏がハワード政権の移民相を務めていた時期、バンストン氏が犯罪組織のボスにビザを交付しており、このボスは後にドラッグ密売で投獄された他、殺人計画関与容疑もかけられている。このボスはイタリアでは膨大な犯罪前科を持っているが、兄弟がメルボルンでビジネスマンとしてよく知られている。ボスがイタリアに送還されかけた時、家族が巨額の金と影響力をふるって働きかけ、バンストン氏を含めた自由党幹部の力で2005年に、「人道措置」の名目でオーストラリアへのビザを発給された。

 この過程でバンストン氏に不正行為があったとは確認されていないが、同氏のSA州の事務所にマフィアのメンバーが浸透していた可能性が強いと報告されている。しかも、このボスは何年か後に国内最大級のドラッグ摘発事件で名前が挙がっている。

■ソース

Mafia in Australia: Major drug trafficking group linked to senior politicians, investigation reveals

「オーストラリア政界にもマフィアの網が」

《Nichigo Press》

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