【イクリプス DREC4000 インプレ】自動車メーカーも認める信頼性、3年保証・大型CMOS・HDR採用の高性能ドラレコ

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カメラユニットは2.7型のCMOSセンサーを採用
カメラユニットは2.7型のCMOSセンサーを採用 全 9 枚 拡大写真

事故を起こしたくて起こす人はいない。だが自分がいくら運転に気を遣っていても、出会い頭などの衝突事故が発生する可能性はある。運転に事故はつきものと多くの人が理解しているだろう。さらに繁華街などでは人が接触をしてくることもある。

過去に事故などのトラブルを経験した人ならばわかると思うが、加害者、被害者ともに、その瞬間の記憶は曖昧なことが多く、警察に事情を聞かれても正確に答えるのは難しい。どのような方向から相手がぶつかってきたのか? その時の信号の色は? 速度は何km/h出ていた? ブレーキは踏んだ? など、ひとつひとつのことはなかなか正確に覚えられない。だが、それらの事実に基づいて過失割合が決められ、賠償の責任も変わってくるため事故が発生した際の状況を説明することは非常に大切だ。そこで活用をしたいのが自分に代わって状況を示してくれるドライブレコーダーである。

ドライブレコーダーはフロントガラスに装着されたカメラによって車両前方の状況を記録する装置で、事故の「瞬間」を第三者の目として確実に捉えてくれるものだ。

◆自動車メーカーも認める信頼性

現在、さまざまな製品が国内外を問わず多くのメーカーからリリースされているが、2014年9月の発売以来、画質と信頼性が高い評価を得ている商品が富士通テンのイクリプス『DREC4000』だ。ドライブレコーダーを選ぶ際に、もっとも重視したいのは信頼性の高さといえるだろう。肝心なときに確実な動作をしてくれなければ意味がない。ご存じの方は少ないかもしれないが、富士通テンはタクシーなど業務用モデルの開発・販売を2005年から手がけており、約10年もの歴史を持つ日本国内では先駆けといえる存在だ。しかも多くの自動車メーカーにディーラーオプション品として供給している実績がある。

さらに、車載品質にも徹底してこだわり、激しい気温の変化や高湿度、連続した振動などクルマ特有の厳しい条件にも耐える品質とし、マイナス20度から65度での動作を保障。3年という長期の保証(付属のmicroSDカードは1年保証)も付いている。ちなみに同社が行った衝突実験評価では55km/hからの前面衝突実験で車両がエアバッグを展開し、窓ガラスがヒビ割れ、バックミラーが落下するほどの状況になっても、ドライブレコーダーのカメラ、本体ともに脱落をせず動作にも問題がなかったという。

◆スマートに取り付けできるセパレート型採用

DREC4000はカメラ、本体、スピーカー、GPSアンテナが別体ユニットとなるセパレート型を採用。本体はETC車載器のようなスリムな形状だがGセンサーも内蔵されている。写真を見てのとおりスマートな取り付けが行え、その存在をほとんど感じさせない。映像を記録する本体はコンソールやグローブボックスなどに装着することもできるので、もし事故で大きな衝撃が加わっても本体の破損を防げ、大切な映像をしっかりと守れる。電源はシガーライターソケットではなく、車両配線から取得するため、事故の衝撃で電源プラグが抜けて電源が遮断される心配もない。このあたりも徹底した信頼性の高さを追求している部分だ。

映像の記録方式は「常時記録」と呼ばれるもので、エンジンをかければ自動的に映像記録を開始し、エンジンを止めれば映像記録も終了する。面倒な操作は必要ない。付属の4GB・SDメモリーカードには高画質モードで最大約100分、標準モードで約150分、長時間モードで最大約200分もの録画が行え、データ容量がいっぱいになった場合には古い映像に順次上書きがされる。ただし内蔵のGセンサーが衝撃を感知した際のイベント記録(衝撃発生の前12秒、後8秒を記録)、スイッチ操作で任意に録画をした手動記録(本体スイッチまたはオプションの外付けスイッチを押した前12秒、後8秒を記録)の場合には保護され、上書きの対象外となる。

画角は水平110度、垂直70度と広角で、ボンネットの右端から左端までをカバー。このため横方向から不意に飛び出してきた自転車や車線変更での割り込みなどの動きも確認ができるだろう。

さらに記録フレーム数は最大28fpsを実現し、LED信号機もしっかり記録。というのもLED信号機は人の目にはわからない速度で点滅を繰り返しており、一般的なドライブレコーダーで使われている30fpsの場合、西日本地区の信号機で停電のように黒く映ってしまう現象が起きることがある(LED信号機の点滅の周期とカメラの撮影周期が重なってしまう場合)が、このモデルならばその心配はない。

◆大型センサー&HDRで、逆光や暗所にも強い

そして映像を美しく、確実に記録するためのスペックも見逃せない。映像センサーには「車載スペック1/2.7型CMOSセンサー」を搭載。一般的に使用されている1/4型に比べると約2.3倍もの大きさとなっている。CMOSセンサーのサイズは画素数よりも画質を左右する要素といえ、これにより従来機とは比較にならないほどの高画質な映像記録を実現。前方を走行する車両のナンバーや路肩の標識、周囲の風景をクッキリと捉えることができる。

また、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」合成技術も採用。逆光やトンネルの出口、夜間の照明が当たる場所など、激しい明暗差が発生する運転環境下でも明るさを自動的に補正し、白飛びや黒つぶれを排除する。今までのドライブレコーダーでは見えなかったものもはっきりと映し出すことができる。

実際に記録した映像をパソコン画面で確認してみたが、正面から光が当たるような夕方の強い日差しの中でも前を走行するクルマの動きをしっかりと確認ができ、夜間にはヘッドライトが当たっていない路肩を歩く人の動作がわかった。HDR合成技術の効果は絶大と言えるほどで、これならば万一の際でも安心だ。

◆専用ビューアを使えばPCで映像+地図、Gセンサー情報も確認可能

撮影された映像の確認は専用パソコンビューアーで行える。ビューアのダウンロード(無料)は富士通テンのホームページなどからでき、インストール操作もきわめて簡単。このソフトはWindowsのみに対応しており、残念ながらMacで使用することができない。ただし映像記録ファイルは汎用のMP4形式のため、市販の動画ソフトなどを利用すればMacやスマートフォンなど、さまざまな機器での再生が可能となる。

ビューアーの記録映像は隅々まで鮮明に見え、明るさや再生速度の調整が好みに合わせてできる。一時停止や送り/戻しの操作も簡単で、見たい場所を素早く見つけられるのも嬉しいところだ。しかも一部分だけを拡大したり、必要な映像の部分だけを選択して保存するといった簡易的な編集機能まで搭載し、ファイルの選択をサムネイル画像を見ながらスムーズに行えて便利。イベント記録は別フォルダになっており、素早く呼び出せるのも使い勝手がいい。内蔵マイクによって同時に記録される音声もクリアだ。

このビューアではほかにも速度やGセンサー情報、地図の確認がOK。画面の下に横長に表示されるグラフはGセンサーの情報と速度を示すもので、加速したことやブレーキを踏んだこと、急ハンドルを切ったことなどが時間の流れとともに、ひと目でわかる。グラフの横にはアナログのスピードメーターも表示されている。ほかにもGセンサーの感度設定や画質モードの選択といったドライブレコーダーの初期設定操作も、このビューアによって行える。

さらに、パソコンがインターネットに接続されていれば、Googleマップの表示も可能。映像とともに記録された場所の地図を確認することができ、航空写真やストリートビューに切り替えることもできる。Google Earthによる走行軌跡の確認も行える。

数あるドライブレコーダーのなかでも、DREC4000は品質面・スペック面からしてハイエンドに当たる。“もしも”のときの頼りになる相棒として、購入候補に入れておくべき1台といえるだろう。

《浜先 秀彰》

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