新たにフロントにもモーターを搭載したデュアルモーターの『テスラS』が日本で公開され、8月以降納車が開始される。
正式名称は「モデルSデュアル」。その名の通り従来リアだけだったモーターが、新たにフロントにも搭載された。それが意味するところは4WDである。例によってバッテリーの搭載量の違いによって、航続距離は異なる。
今回は70kwhのバッテリー搭載車と85kwhのバッテリー搭載車が用意されるが、85kwh搭載車にはリアモーターのサイズが異なるモデルが用意され、フロントと同じ193kwのモーターをリアに搭載するモデルが「モデルS 85D」、さらにリアに375kwのモーターを搭載した「モデルS P85D」が用意される。
前後のモーターを併せた総出力はP85Dの場合568kwとなり、これは馬力に換算すると772psというとてつもないもの。このP85Dの加速力は0-100km/hを3.3秒で走り切り、テスラが目標としていたマクラーレンF1の加速力を超えるというから、事実上現在生産されているクルマとしては史上最速の部類に入る。
前後のモーターはともにデジタルコントロールされて最適なトルクを得ることが出来るというが、残念ながら左右のタイヤに配分されるトルクがどう変わるかについては聞くことが出来なかった。いずれにしてもすでにシングルモーターでも経験した恐るべき加速力をさらに強力にしたテスラSデュアルの性能が桁外れなものであることは容易に想像がつく。
デュアルの良さはそれだけではない。何と、より効率的なトルク配分を得たおかげで航続距離もシングルモーターと比較して16kmほど伸びるというから驚きである。さらにフロントに装備されたカメラとレーダーによってオートパイロットと称する、いわゆるアダプティブクルーズコントロール機能をも持つようになった。
性能、先進性、さらには電気自動車が一番苦手としているロングランも可能なテスラ。今からデュアルモーターの試乗が楽しみだ。