ボルボ・カー・ジャパンは7月23日、ディーゼルエンジンを搭載した5車種の発売を開始した。いずれの車両もD4と呼ばれる自社開発のパワートレインを搭載している。
そもそもボルボは日本でディーゼルモデルを販売するのは初めてではない。「1981年モデルで『240ディーゼル』、1984年モデルで『760ターボディーゼル』を販売していた」と説明するのは、同社マーケティング部プロダクトグループマネージャーの青山健氏。
「当時は6気筒モデルで、3速AT、馬力は76馬力と、105馬力だった」と話す。つまり、32年ぶりにボルボとしてディーゼルモデルを国内で発売するのだ。
「ガソリンとディーゼルを比較して、ディーゼルのメリットは大きく3つある」と青山氏。「まず地球に優しい。次にランニングコスト。最後はドライビングだ」という。
地球への優しさでは、「ガソリンに比べて一酸化炭素の排出量は約半分で、燃費は2~3割優れているので、結果としてCO2も削減する」(青山氏)。更に軽油とガソリンは石油から精製されるが、日本での使用はガソリンがメインであり、軽油は輸出をしている。そのため、「国内だけを考えれば、ディーゼルが増え、ガソリンとのバランスが良くなれば、エネルギー供給のバランスも良くなる」と述べる。
そしてランニングコストについては、ボルボのガソリンはハイオク指定であることから、「1リットルあたり30円以上安くなる。エコカー減税も100%なので、お財布に優しいだろう」。また、エコカー減税により10万円前後の免税となること、JC08燃費で20km/リットル前後の低燃費などの効果によって、年間1万km程度走行する人であれば約3年でガソリン車に対し25万円高の車両価格も回収できると説明する。
最後にドライビングは、ディーゼルなので低回転から高いトルクが出るため、「ダイレクトなレスポンスを楽しんでもらえる」と話す。
そして、青山氏はディーゼルのデメリットとして重量と音を挙げる。「ディーゼルなので、“T5”と比較をすると約30kg重い。そして音と振動は致し方ないところではあるが、昔のディーゼルと比較し、はるかに静かで、乗っていればあまり感じないレベルだ。更に停まっている時はアイドリングストップするので、基本的にはあまり感じないだろう」と、デメリットの影響が小さいことを強調した。