【ボルボ V40クロスカントリー ディーゼル 試乗】オンロード中心でも、ディーゼル+SUVはテッパン…諸星陽一

試乗記 輸入車
ボルボ V40クロスカントリー D4 SE
ボルボ V40クロスカントリー D4 SE 全 9 枚 拡大写真

ボルボのSUVラインアップのなかでボトムラインに位置する『V40クロスカントリー』にもディーゼルエンジンが搭載された。

V40クロスカントリーに搭載されるディーゼルエンジンは、7月下旬に一気にボルボ車5車種に搭載された2リットル4気筒の直噴ターボ。最高出力は190馬力で4250回転で発生。最大トルクは40.8kgmと大きな値で、発生回転数は1750~2500回転と低めとなっている。

かつてSUVがクロカン4WDなどの名で呼ばれていた時代、ディーゼルエンジンは花形とも言えるパワーユニットだった。あふれ出るトルクをパートタイムの4WD方式とマニュアルミッションを駆使して、道なき道を分け入る姿はまさにフロンティアスピリットにあふれる男臭い後ろ姿を想像させた。

しかし、現代のディーゼルエンジンは力強く頼もしいものの、かつての男臭さのような雑な印象はない。車外ではある程度のディーゼル音を感じるが、クルマに乗り込んでしまえばその音はずいぶんと減衰する。残念なことに完全に消えるというレベルには達していないが、V40クロスカントリーというクルマとの組み合わせならば、それも許容してやろうという気持ちになる。

アイドリング+αでも十分なトルクを発生しているディーゼルエンジンは、一回一回のエンジンの燃焼を感じることができるようなフィーリング。しっかりとしたトルクを使っての走行は、じつに気持ちのいい。高回転まで回るエンジンを積むライトウエイトのスポーツカーとは真逆の性格だが、それもまた正しい方向性なのだ。ディーゼルエンジンはディーゼルエンジンらしい魅力を放てばいい。ディーゼルエンジンがガソリンエンジンと同じ性格である必要はないのだ。

V40クロスカントリーはSUVとはいえ、荒れた路面や道なき道を突き進むタイプのクルマではない。最低地上高もV40より10mm高い145mmであることからも、ラフロード走破性に重きを置いていないことは明かだ。にも関わらず、ディーゼルエンジンが積まれたことで、その雰囲気は一気にSUVライクになっていく。それはたとえゆっくりであっても力強く走ることの大切さを教えてくれるからだ。

サスペションの動きはスムーズで、よく動きつつしっかりとタイヤをグリップさせていくタイプのセッティング。よって、乗り心地もよく、乗っていて気持ちいい。比較的コンパクトなボディでありながら、しっかり乗り心地を稼ぎ、なおかつ走りに機敏さを持たせている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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