JAXA、低ソニックブーム設計の超音速試験機の飛行に成功…世界初

航空 テクノロジー
D-SEND#2 超音速試験機
D-SEND#2 超音速試験機 全 4 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、低ソニックブーム設計の超音速試験機が世界で初めて飛行に成功したと発表した。

スウェーデン・エスレンジ実験場で、低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)の飛行試験を現地時間7月24日に実施、超音速試験機がブーム計測システム(BMS)上空を正常に超音速飛行し、試験機から発生したソニックブームが複数のマイクロホンで計測されていることを確認した。

機体の先端・後端ともに「低ソニックブーム設計概念」を適用した航空機形状の試験機が超音速飛行に成功するとともに、ソニックブーム計測に成功したのは世界初。

プロジェクトの目的である「低ソニックブーム設計概念」の実証については、今後詳細解析が完了次第、公表する。

ソニックブームは、超音速飛行時の機体から発せられる衝撃波が、結合して落雷に似た爆音を発生させる現象。超音速飛行時に発生するソニックブームの低減技術は、次世代超音速旅客機を実現するための最重要課題の1つと言われている。

JAXAのD-SENDプロジェクトでは、JAXA独自の「低ソニックブーム設計概念」の実現性を飛行実証で示すとともに、試験で得た成果からソニックブームの国際基準検討に貢献する技術やデータを提供することを目指している。

D-SEND#2試験は、スウェーデン・エスレンジ実験場で、JAXA固有の「低ソニックブーム設計概念」を用いて機体の先端と後端に低ソニックブーム化を図った航空機形状の「超音速試験機(S3CM)」を、気球に吊り下げ、高度30kmまで浮上、切り離す。落下速度により超音速に達した機体を、マッハ約1.3、経路角50度で滑空させ、地上に設置したブーム計測システム(BMS)上空を通過する際に発生するソニックブームを計測する。

飛行試験では、7月24日4時43分に放球、10時00分に気球から超音速試験機が分離された。試験機は正常に飛行し、実験場内に安全に着地した。

《レスポンス編集部》

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