JAL副操縦士、誘導路から離陸しようと…重要事案を報告せず

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7月12日、シンガポールチャンギ国際空港から離陸しようとしたJAL38便が、誤って誘導路から飛び立とうとしていた。22日に同空港管制当局から現地の日本航空担当者に問い合わせが寄せられ、明らかになった。

同社は23日から「誘導路の離陸とそのやり直しは重大事案と考えている」(広報担当)と、操縦士らに事情を聞き、事実を把握した。現在は、この事象が事故か、またはどのようなインシデント(事故が発生する恐れのある事態)にあたるのか、シンガポールと日本の航空当局の判断を待っている状態。

同便は767-300ERを使い、乗客乗員208人が搭乗。12日17時50分にチャンギ空港を出発する予定だった。しかし、飛行機が動き出した(ブロックアウト)した時間は18時16分。その後、離陸した18時36分までの間に、誘導路からの離陸が試みられた。

滑走路と誘導路は路面標識と灯火で識別できる。同便は「離陸するためにパワーは入っていたが、すぐに気がついたので速度は出ていなかったと聞いている」(同社広報担当)

操縦していたのは副操縦士で、隣にいた機長がすぐにその誤りに気付き、許可を取り直して離陸したという。しかし、チャンギ空港は14年だけで旅客数は5410万人と、アジアを代表するハブ空港だ。24時間世界の航空機が行き交う。滑走路やターミナルなどの施設間を移動する誘導路で、離陸態勢をとることは極めて危険だ。

マニュアルで想定されている以上のことが起きた場合、乗務員は同社への報告の義務がある。ただ、副操縦士も機長も「すぐに離陸ができたので重大な事象だと認識していなかった」(前同)ため、同社はチャンギ空港管制当局から問い合わせがあるまで把握できなかった。

《中島みなみ》

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