ガンダムデザイナー「大河原邦男展」開幕…兵器ロボからコミカルメカまで43年の足跡

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アニメを中心に数々のメカニックデザインを手がけてきた大河原邦男の仕事を一望する「メカニックデザイナー 大河原邦男展」が東京・上野の森美術館で始まった。8月8日から9月27日まで開催される大型展覧会である。
大河原邦男の仕事は、9月27日まで六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中の「機動戦士ガンダム展」でも紹介されている。六本木が作品を通じてメカデザインに切り込んでいるのに対して、ここでは大河原邦男の人物を通して、メカデザインの世界を知る異なったアプローチをとる。さらに大河原のキャリアの長さ、参加作品の幅広さもあり、1970年代から現在に至る日本のアニメ史の流れを振り返ることも可能だ。

見どころは、数え切れない。まずは大河原のキャリアの出発点となった『科学忍者隊ガッチャマン』など、タツノコ時代の作品だ。大河原作品はコミカルなものとSFアニメ・ロボットアニメなどがあるが、初期はあまり差を感じさせない。いずれも華やかなデザインにカラフルな色彩で奇想天外なアイディアに満ちている。
大きく変わるのが、『機動戦士ガンダム』以降である。『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』を経て、いわゆるリアルロボットアニメ、機能を重視した重厚なデザインがひとつの路線として確立されていくことが分かる。もちろんその後もコミカルなデザインも健在で、ここに大河原の仕事の幅広さが見てとれる。

会場で驚かされるのは、作品の多様さと参加作の多さである。会場では「あの作品も」、「この作品も」とは発見するに違いない。本展の監修を務めた五十嵐浩司は、『ドラえもん』や『トランスフォーマー』、さらにはグリコのおもちゃにまで参加していることを知って欲しいと、記者会見で紹介していた。
会場には、ほかにも貴重な資料で満載だ。2002年に高橋良輔監督、キャラクタターデザイン・塩山紀生で放送開始予定だった『鉄の惑星 ライディフォース』の資料が大量に展示されていた。本作は最終的に製作中止となり、幻の作品としてこれまでその設定も日の目をみなかった。古い資料でも、今回初のものが多くある。

開幕前日には、大河原邦男、五十嵐浩司、そして本展の音声ガイドナビゲーターを務めた人気声優の保志総一郎、小松未可子が出席して記者会見が行われた。
大河原氏は「1972年の『ガッチャマン』でデビューして43年」とその長いキャリアを振り返った。そして「アニメーションは共同作業のもの。そのなかでワンセクションであるメカデザインの仕事を取り上げていただき大変感謝しています」と話した。そして長年心がけてきたことを問われると「子ども達のことを考えて、子ども達がワクワクするデザインをすること」と応えた。
展覧会の会場は、子どもだけでなく、かつての子どもも思わずワクワクするもので一杯だ。大人も子ども、そこに訪れれば、きっと夢のような時間を過ごせるに違いない。

メカニックデザイナー 大河原邦男展
会場: 上野の森美術館
会期: 2015年8月8日(土)~ 9月27日(日) 会期中無休

「大河原邦男展」開幕 子どもにワクワク届けて43年、ロボットからコミカルメカまで

《animeanime》

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