出張や旅行で海外へ渡り、帰国便で「外貨が予想以上に余ってしまった。すぐまた行くとも限らないし」と感じたことはないか。そこで旅客機内のサービスで、外貨が利用できるかどうかを客室乗務員に聞くのもひとつの手。出発地の外貨で買い物を試してみた。
今夏、香港から乗ったジェットスター・ジャパンのGK022便(成田行き)の機内で、メニュー表を広げると、「国際線:香港ドル(HKD)のご使用も可能です」という表記を見つけた。キャビンクルーに聞くと、「LCCではまだあまりないサービス。お釣りは日本円ですよ」という。
日本円で500円の「タティアラ ワイン」を注文。50香港ドルを渡すと、「お釣りとお品物をお持ちいたしますので少々お待ちください」とクルー。
クルーはいったん最後部ギャレーへ戻り、クレジットカード決済端末などを手に、現レートでつり銭額を算出。日本円のコインとワインがいっしょに届くという具合だ。クルーは「若干だけど、香港ドルで払ったほうがおトクですよ」とも話していた。
こうしたサービスは、フルサービスキャリアが先行して幅広く提供している。全日空(ANA)の国際線では、円、米ドル、ユーロ、英ポンド、香港ドル、シンガポールドルの紙幣が利用でき、複数の通貨を組み合わせて支払える。つり銭は円か米ドルを選べる。
また日本航空(JAL)は、円、米ドル、英ポンド、オーストラリアドル、カナダドル、ユーロ、スイスフラン、デンマーククローネ、タイバーツ、香港ドル、シンガポールドルと、11種類の外貨が使える。つり銭は、日本円か米ドル(紙幣のみ)を選べる。香港線では、円と米ドルと香港ドルのみ、韓国・中国・台湾線は日本円と米ドルのみという具合だ。
ジェットスター・ジャパンGK022便の機内では、両替したばかりの1万円札を出してドリンクを買おうとしていた香港の女性2人組がいた。「香港ドルが使えるみたいだよ」と伝えると驚いていたようす。ジェットスター・ジャパンと同じく、成田-香港線を運航する日系LCCのバニラエアは、「香港発の便だけ機内で香港ドルが使用可能」という。