わたらせ渓谷鐵道、足尾銅山につながる廃線跡歩くツアー企画

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わたらせ渓谷線を運営する第三セクターのわたらせ渓谷鐵道は9月6・12日の計2日、日帰りの「廃線跡を歩こうツアー」を実施する。通常は立入禁止となっている間藤~足尾本山間(栃木県日光市)の廃線跡の一部をたどるもので、トロッコ列車にも乗車する。

集合時間は桐生駅が8時45分で、相老駅(9時07分発)や大間々駅(9時17分発)は車内集合になる。各駅からわたらせ渓谷線の列車に乗車し、間藤駅には10時27分着。ここからしばらく一般道を歩き、松木街道踏切から廃線跡に入る。第二松木川橋りょうや向間藤トンネル、向赤倉トンネルなどを歩き、出川橋りょうの手前から再び一般道に入って足尾駅へ。終点の足尾本山駅跡には立ち寄らない。その後、トロッコ列車『トロッコわたらせ渓谷4号』に乗って出発地に戻る。

募集人数は60人で、旅行代金は大人が4500円、小学3~6年生が3000円。ただし小学生は保護者が同伴する必要がある。参加者には「オリジナル廃線キーホルダー」をプレゼントする。

わたらせ渓谷線は、桐生(群馬県桐生市)~間藤間44.1kmを結ぶ鉄道路線。1911年に足尾鉄道の路線として一部が開業し、後の国有化で国鉄足尾線になった。1914年までに桐生~間藤~足尾本山間が開業したが、このうち間藤~足尾本山間は、足尾銅山で産出される鉱石を運ぶ貨物列車のみ運行される、貨物専用線だった。

戦後は輸送量の減少で経営が悪化。1989年にはわたらせ渓谷鐵道が桐生~間藤間の旅客鉄道事業のみ引き継いだ。貨物事業は移管にあわせて廃止され、貨物専用だった間藤~足尾本山間は未開業線の扱いでわたらせ渓谷鐵道が引き継いだが、実際には列車が運行されないまま1998年に正式な廃線になった。

廃線跡は現在も橋りょうやトンネルを含む路盤が残っているが、通常は立入禁止になっている。今回のツアーでは係員が同行することで安全を確保するという。わたらせ渓谷鐵道は「トンネルあり、鉄橋ありの変化に飛んだ区間です。ガイド案内を聞きながら、普段は歩くことのできない廃線跡を歩いてみませんか」と呼びかけている。

《草町義和》

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