【INDYCAR 第15戦】サバイバル戦をハンターレイが制す…勝機あった琢磨は「悔しい」6位

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#28 ハンターレイは今季2勝目。背後の#2 モントーヤは3位に入ってポイント首位キープ、リードを拡大した。
#28 ハンターレイは今季2勝目。背後の#2 モントーヤは3位に入ってポイント首位キープ、リードを拡大した。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第15戦は現地23日、米ペンシルベニア州の「ポコノ・レースウェイ」で決勝を行ない、荒れた展開を生き残ったライアン・ハンターレイが今季2勝目を挙げた。佐藤琢磨は6位。

早くも残り2戦となった2015年のインディカー・シリーズ。今回のポコノ、そしてソノマ(現地30日決勝)という連戦で幕を閉じるが、今季最後のオーバル戦の舞台ポコノは特徴的な三角オーバルで有名なコースだ。1周2.5マイルを200周する500マイルの長丁場戦である。

レースはアクシデントによるフルコースイエローコーションが多い展開となり、それとピット戦略が絡まったインディカーのオーバル戦らしい戦い模様で推移していったのだが、それにしても手元集計で12回のフルコースイエローというのは乱戦の域だろう。特に終盤はイエローが相次ぎ、そのなかで他車のクラッシュにより飛んだ破片がジャスティン・ウィルソン(#25 Andretti Autosport/ホンダ)のヘルメットを直撃したと思われるアクシデントも発生。ウィルソンがヘリで緊急搬送されるという心配な事態ともなっている。

最後はフルコースイエローによる隊列スロー走行のままチェッカーとなったサバイバルレースを制したのは、ライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)だった。今季2勝目。しかし僚友であるウィルソンの状況もあるため、勝利のコメントは控えめだ。「自分のキャリアのなかでも最高の部類に入るドライビングができ、優勝できたことは嬉しい。だが今は、チームメイトであるジャスティンの容態が本当に心配だ。彼の快復を心から祈っている」。

決勝2位はジョセフ・ニューガーデン(#67 CFH Racing/シボレー)。そして3位にはドライバーズポイント首位のファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)が入り、後続に対するポイントリードを広げて最終戦へと向かうこととなった。

決勝4位はウィル・パワー(#1 Team Penske/シボレー)で、5位にはカルロス・ムニョス(#26 Andretti Autosport/ホンダ)。そして、続く6位に入ったのが佐藤琢磨(#14 A.J.Foyt Racing/ホンダ)だった。9番グリッドからスタートした琢磨は、前半は後方に沈んでいたものの、終盤には先頭争いにまで参陣、トップ周回も計3周記録するなど勝機ありの展開にもっていった。それだけに、上位ゴールではあっても本人的には実に「悔しい」レースだったようだ。

佐藤琢磨のコメント
「ダウンフォース少なめでマシンバランスが良くなかった序盤は苦労して、タイヤの内圧調整も難しく、レースの大半を後方集団で戦っていました。しかし、ピットストップでセッティングを変更し続け、リスタートもいいものが切れて終盤に一気に上位へと進出できました。残り20周で2番手につけていた時には優勝を狙っていましたが、ストレートでスピードの伸びないセッティングを最後のピットストップで変更できなかったこともあり、6位という悔しい結果でした。ジャスティン・ウィルソンのことはレースを終えてから知りました。容態がとても心配です。少しでも早く快復してくれることを願っています」

一方、チャンピオン争いは最終戦を前に6人に数字的な可能性が絞られたが、前戦で首位モントーヤとの差を一気に9点まで詰めていたランク2位のグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)にとって今回のポコノ戦は手痛い結果となった。レース中盤、100周を前にした頃に同じホンダ勢のマシンとのアクシデントで戦列を去ったレイホールの順位は20位で、今回3位だったモントーヤとの差が再び開いてしまった。

■2015 INDYCAR チャンピオン争い
J-P.モントーヤ/500点
G.レイホール/466点(首位と34点差)
S.ディクソン/453点(同47点差)
W.パワー/439点(同61点差)
H.カストロネベス/423点(同77点差)
J.ニューガーデン/413点(同87点差)

最終戦はダブルポイントの予定で、優勝は100点。他にラップリードのボーナス等もあるが、インディカーの場合は出走すればある程度のポイントも稼げるため、現実的な可能性があると考えられるのは現在3位のディクソンまでかもしれない。4~5位のパワーとカストロネベスは、状況によっては僚友モントーヤの援護に回る局面もあり得るなど、かなり厳しいだろう。

シボレー勢のダブル名門、ペンスキーのモントーヤにガナッシのディクソン、そしてホンダ勢の希望を背負うレイホール、この三つ巴のチャンピオン争いが予想されるが、モントーヤのリードが大きいのも事実で、自力逆転の可能性がないレイホールとディクソンは、とにかく勝って、あとはモントーヤの順位次第というかたちに持ち込むしかない。最終戦の舞台ソノマはロードコースなので、オーバルほど頻繁かつ大幅な順位変動はないはずだから、彼らはトップ独走の展開を演じてモントーヤにプレッシャーをかけたいところだ。

最終戦は次週末。泣いても笑ってもここで今季のアメリカNo.1が決まる。第16戦はカリフォルニア州のソノマにて、現地30日決勝の日程で開催される。

《遠藤俊幸》

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