日本の2輪業界をデザインで盛り上げる…デザイン学生を対象にしたワークショップ

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二輪デザイン公開講座
二輪デザイン公開講座 全 28 枚 拡大写真

デザインを専攻する大学1、2年生にモーターサイクルの特徴や楽しさ、そしてそれをデザインすることの魅力を伝える「二輪デザイン公開講座」が、8月23~24日に開催された。

このワークショップは自動車技術会のデザイン部門委員会が企画・主催。2013年にスタートし、今回が第3回となる。国内でモーターサイクルを手がけるホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキのデザイナーやクレイモデラーがスタッフとして参加した。会場となったのは静岡文化芸術大学(静岡県浜松市)。

開催の背景にあるのは、日本の若者たちのモーターサイクルへの関心をもっと高めたいという思い。そしてプロダクトデザインの世界にはモーターサイクルデザインというものがあり、それが魅力的な仕事だと知ってもらうことも大きな目的。

また間接的な理由としては、若者にモーターサイクルを身近なものとして捉えてもらうことで、国内市場を活性化したいというものもある。

このためワークショップ参加資格は「デザインを専攻する大学1、2年生」となっている。目的は専門的なことを教えることではなく、将来に「モーターサイクルのデザインをしてみたい!」と思ってくれる人を増やすこと、というのが低学年に絞っている理由。全国の学校から30人が参加した。

プログラムは座学の「デザイン公開講座」からはじまり、「バイクデザイン基礎講座」、実演を見学する「デザイナーの卵養成講座」と続いた。座学は長岡造形大学の齋藤和彦教授による 基調講演「世界のバイクデザイン」からスタート。

基調講演では日本車が世界中で支持を集めていることや、近年は世界のトレンドをリードするハイパフォーマンスモデルが登場していることなどが紹介された。

その後は4ブランドのデザイナーによるトークセッション。登壇者は二股健士(本田技術研究所二輪R&Dセンター)、太田充昭(ヤマハ発動機デザイン本部)、吉浦耕司(スズキ二輪商品企画部デザイン課)、西原寿行(川崎重工MC&Eカンパニー技術本部デザイン部スタイリング課)の4名。それぞれの担当車種のデザインやそのプロジェクトでの裏話などを披露。

続いて川崎重工MC&Eカンパニーの木村徹・チーフリエゾンオフィサーによる「バイクデザイン基礎講座」ではデザインの変遷や、社会背景の変化によって位置づけも変わってきたことなどを説明。

そして「デザイナーの卵養成講座」では手描きとタブレットによるスケッチワーク、クレイモデル切削、そしてカラーやグラフィックのデザイン作業の実演。食い入るように見つめる学生たちの姿が印象的だった。

23日最後のプログラムは「アイデアスケッチ講座」で、学生自身がペンとマーカーによるスケッチワークに挑戦。まだデザインの基礎を学んでいる段階ということが考慮され、既存モデルのサイドビュー画像を下敷きにできるなどの配慮がされている。

スケッチを描き上げた後は、1分という制限時間でアイデアをプレゼンテーション。翌24日はスケッチからレンダリングへというプロセスと、クレイモデル制作の演習がおこなわれた。

全体的に「情報量が多すぎるのでは?」と心配になったほど濃密な内容だったが、前回も参加していた学生からは「今回のほうが充実していて嬉しい」という声が聞かれた。とくに現役のデザイナーやモデラーと、デザインワークについてのコミュニケーションをできたことが、学生たちには大きな刺激となったようだ。

《古庄 速人》

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