駐車場ビジネスに自動運転がどう活きるか…パーク24とZMPが実証実験

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パーク24が運営するタイムズ駐車場(資料画像)
パーク24が運営するタイムズ駐車場(資料画像) 全 2 枚 拡大写真

「カーシェアリングにおいて、駐車場での事故は結構多い。自動駐車はその事故に伴う修理費や休業にともなう損害を抑えることができ、コスト削減につながる」

ボティクス関連のベンチャー企業、ZMPと駐車場管理事業大手のパーク24は27日、ZMPが都内で開催したフォーラムのなかで、駐車場における自動駐車の実用化について共同で実証実験を行うと公表。その席でパーク24関係者は、自動駐車の実用化についてこのように期待を示した。

自動駐車自体はトヨタ自動車の「インテリジェントパークアシスト」をはじめ、世界中で類似の技術が実用化されており、目新しさはない。ZMPとパーク24の共同実証実験の興味深い点は、クルマの制御と駐車場の設備やレイアウト設計の両面を同時に検証できるということだ。

「たとえば広大な駐車場がある大きな病院。患者さんが受診する窓口に一番近いところで降りてもらい、そこから駐車場の空車スペースまで自動で走行して駐車できるようになれば便利だ。クルマと共に考えることで、自動駐車に適した駐車場はどのように作るべきかというアイデアが生まれることも期待できる」(パーク24関係者)

公道における自動運転に比べると技術的なハードルはずっと低い自動駐車だが、本当にクルマ任せでトラブルなくシステムを運用できるようになるには、クリアしなければいけない課題は山ほどある。

「クルマにセンサーをたくさんつけ、クルマだけで全部のことをやるというのは現実的ではありません。駐車場の白線認識ひとつとっても、その白線が本物なのか、隣に停まっているピカピカなクルマのボディに映りこんでいるものなのかをカメラで性格に判断するのは、実は難しいことです。クルマと駐車場の双方にどういうセンサーを置いたら最も効率が良くなるのか、現実解を求めるのが共同実験の最初の一歩になるでしょう」(ZMP関係者)

無人での完全自動駐車は自律走行の実現に向けた重要なマイルストーンと言われる。クルマと駐車場の両者による共同実験でどのような知見が得られるのか興味深い。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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