【IFA 2015】空気を読まないマツダ、3台の新型 ロードスター が大人気

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マツダブース(IFA 2015)
マツダブース(IFA 2015) 全 47 枚 拡大写真

ドイツ・ベルリンで4日に開幕した「IFA 2015」。ドイツ・マツダは3台の『MX-5(日本名:ロードスター)』を中心に、『CX-3』『CX-5』の計5台、各2015年モデルを展示した。

【画像全47枚】

IFAはアメリカのCESと並ぶ、90年以上の歴史を誇る欧州最大のコンシューマエレクトロニクスショーである。リーマン・ショック後にCESが自動車分野に力を入れて復活した一方で、IFAは2008年から白物家電の展示会を吸収して独自の地位を得るに至った。また、毎年9月というタイミングは、各企業がクリスマス商戦に向けた新製品を発表する場として最適で、未来のコンセプトモデルというよりも、現実的な新製品の展示がメインとなる。

◆“生活”に対する執念を実感

会場のメッセベルリンは、巨大なホールがあるわけではないが、小さなホールを迷路のように順にみてゆくスタイルの展示会場。小部屋に仕切られた美術館で絵画を鑑賞するような展示会スタイルだ。

白物家電のホールは、慣れていない者にとってはとても新鮮だ。まず、欧州の白物家電メーカーは日本であまり知られていないブランドが多い。ボッシュやジーメンスなど、家電以外で認知されているブランドも、冷蔵庫やオーブンなどのキッチン家電、洗濯機、アイロン、掃除機などの白物を美しく展示する。ビルトインキッチンユニットやフードプロセッサー、エスプレッソマシーンなどの実演も盛んで、作りたての料理やドリンクが振る舞われる。さながら蔦屋家電と食べ放題のカフェが組み合わされたような展示会スタイルはただの新製品のアピールにとどまらない。

そこから感じるのはドイツ人の”生活オタク”ぶり。家電に性能や機能を求める日本市場とは違い、家具やカーテンにこだわるように家電を生活スタイルの一部として取り込む欧州人の「美しいこと、楽しいこと」、「クオリティ・オブ・ライフ」のこだわりがメッセージだ。欧州の各街を支配した王侯が、自分の街の文化を誇り、美しさを競ったように、現代家庭でもクオリティ・オブ・ライフを競い合う消費マーケットがここには存在する。日本も成熟社会が進行し、確実にこちらに向かっていく。未来を描くカーデザイナーにこそ見て欲しい、生活スタイルへの提案を感じられる場所である。

◆マツダは素で勝負、パナは白黒作戦

さて、マツダがブースを構えたのは2番ホールの2階である。白物家電ブースが香りを放っている1階から階段をあがって入り口すぐに赤いクルマが4台、中央に白いMX-5(ロードスター)が黒いカーペットの上に鎮座する。おそらくドイツ・マツダが独自に展示スペースを借りて車両展示したためか、モーターショーのようなブランド訴求もあまりない。剥き出しの、マシンがそこにあった。

引き寄せられるのは、男性や子供。とくにMX-5の幌を開いたりたたんだり、その開閉のしやすさに夢中になっている。子供のお母さんはCX-3のほうに興味があるようだ。後席の広さなどをCX-5と見比べている。つぎつぎに人だかりができてゆく。”生活オタク”だなんだと言いつつも、クルマが大好きなドイツ人。触り放題、乗り放題の実車展示となれば、その吸引力は強力だ。

その他、注目ブースとしてパナソニックブースを挙げておきたい。ソニーもパナソニックもかつてはテレビを中心とした黒物家電ブランドとして欧州では認知されている。しかし、近年は韓国勢に押されっぱなしでブランドの再構築を余儀なく求められている。パナソニックのコンセプトは明確である。白物家電をドイツに再上陸させ、白黒作戦を敢行している。ブースデザインも白黒でスタイリッシュにまとめ上げられ、欧州ブランドの白物ブースと同様に、キッチンを再現して料理の実演や試食もたっぷり。パナソニックが力を入れている美容家電のコーナーも、美容室やバーバーを再現したコーナーで上品で楽しい。黒物家電コーナーも4Kフォトの体験コーナーを大規模につくり、クオリティ・オブ・ライフからのアプローチを統一している。さきほどIFAは新製品中心の展示会と述べたが、パナソニックブースはあえて2020年のリビング提案のコーナーもつくり、多くのドイツ人の注目を集めていた。白物黒物を両方手がけるパナソニックならではの先進技術を交えた、リビングやキッチンの提案である。

正直、まだまだの面もある。黒物商品のデザイン面のアプローチはまだまだファンクション中心のガジェット志向でうんざり。だが、目指している方向は正しいと思う。IFAには日本の一歩先をゆく成熟社会の姿が見られ、そこを覗くことはタイムマシンを体験するに等しい体験だ。パナソニックのような日本の家電マーケットをリードするブランドがIFAで存在感を年々増してくれることは、ぼくら日本人の生活スタイルに直接の影響が出てくるに違いない。

《三浦和也》

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