【スズキ スペーシア 試乗】ストレスない走り、軽の域こえる静粛性を実現…青山尚暉

試乗記 国産車
スズキ スペーシア
スズキ スペーシア 全 6 枚 拡大写真

春からこの夏にかけて、軽自動車の売れ筋、モアスペース系のスズキ『スペーシア』がこっそり(!?)改良を受けているのをご存じだろうか?

主な改良点は、公式にはスペーシア、『スペーシアカスタム』のNAモデルに、アイドリングストップ状態から静かにエンジンを再始動させ、発進時のモーターアシストを最大30秒、85km/hまで行う“簡易ハイブリッド”と言える「S-エネチャージ」を採用するとともに、ステレオカメラ方式の歩行者も検知する衝突被害軽減システム=デュアルカメラブレーキサポート(約5~100km/hで作動、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能付き)、頭上からのビューを加えた全方位モニターなどを新採用したことだ。

結果、S-エネチャージの威力によってNAモデルのJC08モード燃費は、最高32.0km/リットルとライバルを圧倒(『N-BOX』25.6km/リットル、『タント』28.0km/リットル)しているのだ。

また、8月にはスペーシア、スペーシアカスタムのターボ車にもS-エネチャージを組み合わせたグレードを追加設定。こちらもモアスペース系のターボ車としては、クラストップレベルのJC08モード燃費26.8km/リットルを達成している。ちなみに発進時のモーターアシストは最大30秒、85km/hまで行う。

実際、NAモデルに試乗してみると、動力性能は改良前のモデルだとごく平凡だったものの、改良後のモデルは登坂路、高速道路でさえストレスなく加速、巡行できるようになっていた(アクセルオフからの再加速時のみ、一瞬もたつくが)。

しかも、公式にアナウンスされていないものの、今回の改良で制振材、吸音材を増やしているため静粛性はもはやクラス最上レベル。特に高速&長距離走行での快適度は軽自動車の域を大きく越えていたのだから頼もしい。

モアスペース系ならではの室内空間のゆとりもばっちりだ。後席は身長172cmの筆者のドライビングポジションの背後で頭上に250mm、ひざ回りに350mmものスペースがあるのだから、まさに“スペーシア”である。

もちろん、乗り心地も車重がもたらす重厚感、しっとり感あるもの。ミニ・ミニバンとしての実力、実用性、経済性を一段と高め、熟成させたというわけだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行なっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. かつての『ハイラックスサーフ』、15年ぶりのモデルチェンジへ…トヨタが予告
  2. 今スズキの250ccスポーツが面白い!快適ツアラーな『GSX250R』に俊足エクスプレスの『ジクサーSF250 / 250』もPR
  3. 【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】「アウトバック」以来、30年にわたる挑戦の成果…諸星陽一
  4. 東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE[写真32枚]
  5. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  6. ダイハツ『タフト』と『コペン』の出荷停止を解除、国交省が適合性確認
  7. ホンダ『フリード』次期型予想に注目! ボディ拡大? デザインは?…土曜ニュースランキング
  8. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
  9. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  10. 高性能電動SUV、メルセデスAMG「GLC 63 S Eパフォーマンス クーペ」発売…価格は1811万円
ランキングをもっと見る