日産 エクストレイル のオフロード性能を富士ヶ嶺で試してみた

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日産 エクストレイル オフロード試乗会
日産 エクストレイル オフロード試乗会 全 14 枚 拡大写真

日産『エクストレイル』のガソリン4WDモデルを使ってのオフロード試乗会が開催された。コースとして選ばれたのは富士ヶ嶺オフロード。

東京近郊のオフロードコースとしては屈指の富士ヶ嶺オフロードで行われたエクストレイル4WDの試乗会。期待していた以上にエクストレイルは高い走破性を発揮した。エクストレイルに大きな期待ができなかった最大の理由は、4WD-Loのモードを持たないことだったが、その必要性はあまり高くないことがわかった。

このコースの最大の難所とも言えるのがロングヒルクライムと言われる登り坂。勾配は不明だが、広場から最も高い位置まで一気に登るセクション。このセクションは4WDロックの走行モードを選び、アクセルを緩めることなく一気に走るように指定されていた。4WDロックモードは、前後トルク配分を50対50に固定するモード。この組み合わせだと、何の問題もなく坂を登り切る。

ロングヒルクライムは坂を登り切れなければ、安全にバックするしかないが、それを承知のうえで4WDオートモードで走ることを申請してトライした。オートモードは必要に応じて、前後トルク配分を調整するモード。スタートラインに着き、アクセルペダルを床まで踏み込むと、エクストレイルは一気に坂を登りはじめる。走り出しは完全FF状態だが、すぐに後輪にもトルクが伝わりはじめる。

登り坂なので後輪荷重となり、前輪へのトルク配分が減るのかと思いきや、後輪へのトルク配分はせいぜい40%程度ぐらいのものだった。意外なほどに前輪のトルクで登っていることから、さらに勾配のきついセクションでもまだまだ登っていける印象を受けた。

また、このロングヒルクライムでは、登り切る一歩手前に一時停止が設けられていて、そこでヒルスタートアシストの体験ができるようになっていた。エクストレイルのヒルスタートアシストは、非常にしっかりと効き、アクセルを踏みブレーキがリリースされるときもマイルドな印象。そのまま、スッと発進できる。

さらにアドバンスドヒルディセントコントロールも装備する。これは下り坂での速度を自動調整する機構で、4WDロックモードで作動する。コントロールされる速度域が4~15km/hとなっているので、15km/hになった際にはちょっと速すぎるかなと思うときもある。しかしながら、アクセルペダルもブレーキペダルも操作することなく、ステアリング操作に集中できるのは、オフロード走行ではかなりうれしい。

今回の試乗車はフロントにソナーが装備されていて、コブを乗り越えて下る際には、ソナーが地面を前面障害物として感知しアラームが鳴り、警告灯が点灯することもあった。問題のない場面でのアラームとなるので、これは頭に入れておかないと、余分な気遣いを行うことになってしまう。

装着タイヤは横浜ゴムのジオランダーG91。M+Sタイヤではあるが、乗用よりでしっかりとした乗り心地や燃費性能を確保しているタイヤだが、そのオフロード性能は必要にして十分な高さを確保していた。さらにマッド性能の高いタイヤをチョイスすれば、オフロードの走破性はさらにアップすることだろう。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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