1689ccの排気量を持つ「ツインカム103B」エンジンを、ついに搭載したソフテイルファミリー。日本に上陸したばかりの『FXSB ブレイクアウト』に早速乗った。
まず、アクセルを開け始めたところから、これまでの「ツインカム96」(1584cc)搭載車と違う。低回転域からより太いトルクを発揮し、走りにますます余裕を感じる。
スピードレンジが上がったところからの加速もいっそう力強く、高速クルージングや追い越しなどが、さらにラクになった印象だ。
105ccの上乗せがありながら、車重はまったく増えていないのだからメリットしかない。240mm幅のワイドタイヤが路面を蹴飛ばし、ロー&ロングな車体をグイグイ前に進めてくれる。
ハンドリングは相変わらずひと癖あるもので、直進安定性は高いがコーナーでは素直に車体が寝ていくようなことはない。なんせレーク角35度、ホイールベース1710mmと長いのだから仕方がない。意識的に身体で向きを変え、旋回性はお世辞にも高いとは言えない。
しかし、それは欠点ではなく、ブレイクアウトの面白味だ。ローアングルに構えるスタイルは、見るからに個性的でワイルド。2016年モデルではダッシュ力に磨きをかけ、ジャジャ馬を操る楽しさがまた増えた。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★
スタイル:★★★★★
オススメ度:★★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。