「世界で最も速いSUV」としてフランクフルト モーターショーでワールドプレミアしたのがベントレー『ベンテイガ』だ。オーディオはイギリス生まれの名門『ネイムオーディオ』を採用。インフォテイメント システムにはタブレットも導入するなど、その豪華さには目を奪われた。
オーディオブランドとして「ネイム」の名を知っている人はあまり多くないと思うが、かつては日本でもホームオーディオでカルト的モデルを販売した実績があり、今ではスコットランドのリンや、B&W、KEFなどと並び称されるイギリスの名門オーディオメーカーとなった。最近では、今年1月のCESにも出展し、日本でもワイヤレスオーディオ システム「mu-so」を発売したばかり。ベントレーは2008年に同社との技術提携を発表。以来、ベントレーではこのネイムオーディオを選べる関係になっている。
ベンテイガの車内でピュアサウンドを楽しむために搭載されたネイムオーディオは、1950Wで駆動されるアンプと300Wのサブウーファーを含む18スピーカーを組み合わせた専用システム。サウンドは低域を感じるだけでなくしっかりと聴き取れるサウンドが持ち味。その効果は独自の「アクティブ・バス・トランスデューサ」によってもたらされるているという。ただ、ベントレーだけにその価格は桁違いだ。発表によればネイムオーディオのオプション価格は6300ポンド(日本円換算:117万円前後)となる見込みだ。
センターコンソールにセットアップされたインフォテイメント システムは、8型モニターと60GB・SSDの車載メディア用ストレージの組み合わせ。リアシート エンターテイメントとしては多彩なアプリが楽しめる4G LTE通信対応のAndroidタブレット端末を2台セットアップできる。ストリーミングなどを楽しむ際は車載インフォテイメント システムと自動的につながってネイムオーディオのサウンドが活かされる。
インテリアは世界最高のキャビンを目指しただけあって、英国で手作りされたシートをはじめ、トリムやダッシュボードに使われる素材は、金属や木材、皮に至るまですべて本物の素材。なかでも見逃せないのはダッシュボード中央にオプション装備されていた時計だ。高級時計で知られるブライトリング製で、ゼンマイを巻く機械式の構造を持ち、なんと文字盤には本物のダイヤモンドが仕込まれている。会場にいた担当者からは「時計だけでベンテイガ一台分に相当する」と言われたが、ベンテイガの車両価格は2000万円を軽く超える。これに驚かずにはいられない。
ベンテイガは、ツインターボを備えたW型12気筒6.0リッターエンジンにZF製8速ATを搭載。そのパワーは608psにも達し、2.5t近くにもなる車重にも関わらず、0-100km/hを4.1秒で走り切り、最高速は301km/hに達するまさに正真正銘の世界最速&高級SUVというわけだ。