【鈴鹿8耐優勝マシン YZF-R1 試乗】意外な乗りやすさに、市販モデルのポテンシャルを知る…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
2015鈴鹿8時間耐久ロードレースSSTクラス優勝「team R1 & YAMALUBE」のYZF-R1。
2015鈴鹿8時間耐久ロードレースSSTクラス優勝「team R1 & YAMALUBE」のYZF-R1。 全 39 枚 拡大写真

なんと今年の鈴鹿8耐で優勝したマシンを、サーキットで試乗させてもらった!

SST(スーパーストック)クラスで優勝したゼッケン14「team R1 & YAMALUBE」のYZF-R1。時永 真、藤原儀彦、ジェフリー・デ・フリースの3選手で194周をマークし、総合でも21位と大健闘したモンスターマシンだ。

走ったのはスポーツランドSUGOの国際レーシングコース。サーキット経験も乏しく、ましてやロードレースの経験など一切ない自分が乗れるのか…!? とにかくビビる。

世界トップレベル、正真正銘の耐久レーサー、しかもあの8耐で優勝したばかりのマシンとあって、転倒など決してしてはならない。プレッシャーが重くのしかかる。

なんせ何もかもが未知なる世界だった。レース専用のスリックタイヤ、逆シフトチェンジ…、それはもうサンデードライバーが、F1マシンでサーキットを走るようなものだ。

いや、少なくともF1マシンにはタイヤが4つあるから転倒の恐れはない。こちらは2輪しかないバイクなのだから、もっと無謀なのかもしれない。

「もうどうにでもなれ!」とコースインすると、案の定アクセルをまったく開けられず、ペースはまるで上がらない。

しかし、神経質で乗りづらいロードレーサーを想像していたが、意外と乗りやすく、ツーリングペースでサーキットを周回しても気持ちよく走れる。心配していた逆シフトも、何とかミスせず操作できた。

さすがに加速は強烈。恐ろしくてストレートでも全開走行を続けられない。コーナーでも突っ込みきれず、ずいぶん手前でブレーキをかけてしまう始末だが、そのブレーキのコントロール性がなんと素晴らしいことか。

バイクはスッと寝ていき、ハンドリングがじつに軽い。いやはや宝の持ち腐れとはこのこと。今回はヤマハのご厚意で、8耐SSTクラス優勝マシン試乗という願ってもない機会を得たが、残念ながら「team R1 & YAMALUBE」のR1の凄さを分析するほどの腕前がなく、語ることなどできない。

ただ言えることは、市販車と同じように、いやそれ以上にコントロール性が良く、8時間という長丁場のレースに求められるのは絶対的な速さはもちろん、扱いやすさも必要なんだろうなってこと。

ライダーの時永 真 選手は言う。

「SSTクラスのマシンはほとんど改造が許されず、きわめて市販車に近い。タイヤやタンク、ブレーキを耐久仕様にする程度で、ほぼ市販車のままです」

つまり、YZF-R1のそもそものポテンシャルが高いということだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★
扱いやすさ:★★★★★
スタイル:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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