【フォード クーガ 試乗】燃費と乗心地なら「トレンド」、トルクフィールなら「タイタニアム」…諸星陽一

試乗記 輸入車
フォード クーガ タイタニアム
フォード クーガ タイタニアム 全 13 枚 拡大写真

フォード『クーガ』がマイナーチェンジを受け、エンジンを1.5リットルと2.0リットルの2種類に変更した。

従来、日本仕様のエンジンは1.6リットルのエコブーストのみで、装備差によって上級の「タイタニアム」とベーシックな「トレンド」としていたが、新しいラインアップはトレンドが1.5リットルエンジン、タイタニアムが2.0リットルとわかりやすい設定になった。

1.5リットルエンジンを積むトレンドは、すっきりスポーティな雰囲気。エンジンをしっかりと回して走るタイプで、100km/hでのエンジン回転数は2000回転程度。SUV系のエンジンというと、どっしりとした雰囲気でトルクで走るという印象が強いが、この1.5リットルエコブーストはすっきりと回っていくことが気持ちいいタイプの特性。もちろん低速トルクが薄いわけではなく、低速からしっかりとトルクに乗ってなおかつ回転の上昇が楽しめるタイプ。またこの1.5リットルエンジンにはアイドリングストップ機構がプラスされ、JC08モード燃費が12.7km/リットルと従来の1.6リットルエンジンに比べて、34%向上されていることも注目の点だ。

トレンドのタイヤはハンコック製のダイナプロHPで、サイズは235/55R17。このタイヤの効果だと思うが、トレンドは非常に直進性が高い。ステアリングの中立感が高く、ドシッと座ったような感じを受ける。また、意外なほどタイヤノイズも低く、乗り心地もしっかりと稼がれている。

タイタニアムに搭載される2.0リットルエンジンは、242馬力345Nmのパワー&トルクスペックを持つ。かつて初代クーガの4WDモデルが搭載していた2.5リットルエンジンが200馬力だったことを考えるとこの242馬力が持つ意味は大きい。しかもJC08モード燃費は10.0km/リットルとマイナーチェンジ前の1.6リットルエンジンの9.5km/リットルを上回る。

エンジンはかなりトルクフルなフィーリング。トレンドのように回転で速度を稼ぐのではなく、しっかりとしたトルクで前に前にとクルマを進めるタイプ。トレンドはフル加速するとシートクッションにわずかな振動が伝わってきたのだが、タイタニアムはそうした振動が起きずにスムーズに加速を終了する。

タイタニアムのタイヤはコンチネンタルのコンチスポーツコンタクトで、サイズは235/50R18。扁平率が50ということもあり、トレンドよりもタイヤの当たりが少し固めでパターンノイズも大きめ。しかし、ステアリング切り始めのコーナリングパワーの立ち上がりはよくて、スッとノーズがインを向く。

どちらのグレードも好感が持てるが、クーガの車格感を考えると2.0リットルエンジンのタイタニアムが少しマッチングがいいと感じる。燃費と乗り心地にはトレンドに引かれるが、トルクフィールに関してはタイタニアムに積まれる2.0リットルエンジンが魅力的。たとえば、トレンドがレギュラーガソリン対応となるなら、さらに魅力は増すが、どちらもヨーロッパフォードのクルマなので、使用燃料はプレミアムとなっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  3. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  4. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る