【ITS世界会議】周波数は5.9GHz、欧米式採用で二輪にメリット…BMW、ホンダ、ヤマハがC-ITS開発で恊働
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ITSを実現していくためには高度な情報通信技術が欠かせない。その技術はこれまでGPSを使ったナビゲーションに活かされ、リアルタイムの交通情報から渋滞を考慮したルートガイドを行うなどして来た。今後はネットワークに対応することで車両同士が相互に認識し合って事故の発生を未然に防止するC-ITSに注目が集まる。
そんな中、ホンダ、ヤマハ、BMWの3社は、欧州での幾度にもわたるフィールドテストを実施するなど、C-ITS技術の分野で経験を蓄積。具体的には、BMWは自動車メーカーや大手サプライヤーと共同で、ドイツのフランクフルト都市圏で実施されたC-ITSの大規模なフィールドテスト『simTD』に参加。一方、ホンダとヤマハは、『DRIVE C2X』と呼ばれる全欧ITSフィールドテストのプロジェクトに参画した。
これらのテストを踏まえ、コンソーシアムでは様々な課題に対して3社が協同で二輪車における安全性の検証を行っていくことを決定したものだ。3社は他の二輪車メーカーにも参加を呼びかけていく方針だ。
C-ITSについては、採用する周波数帯を巡って日米欧が考え方に違いがあることが明確になっていた。日本はかつて地上テレビ放送で使ってきたVHF帯が地デジ移行に伴って空いたことから、この700MHz帯の利用を推進。これに対して欧米は、より周波数帯域が高く伝送容量が大きい5.9GHz帯の採用で検討が進められてきた経緯がある。
3社が採用するのはこの欧米型の5.9GHzだ。電波の特性上、直進性が強く、遠くまで電波が届くというメリットがある一方で、建物の影には弱く、混雑した都市部では不利となる。高い周波数帯であるため、アンテナを小型にできるのも二輪車にとって大きなメリットになるという。
《会田肇》