エアバス、電気飛行機「E-ファン」をフランス技術EXPOに出展

航空 企業動向

エアバス・グループは10月4日、5日の2日間、日本科学未来館で開催された「フランス技術EXPO」に出展したと発表した。

展示会は、フランスの革新技術に焦点を当てたイベントで、フランス企業や研究機関の最先端テクノロジー、日本とフランスのパートナーシップなどが紹介された。5日にはフランスのヴァルス首相も来場し、各展示ブースを見学した。

エアバス・グループのブースでは、航空宇宙関連の最新技術を展示した。来場者の注目を集めたのが、完全電動の飛行訓練用電気飛行機「E-ファン」で、飛行中、CO2、NOx、煤煙などの排出がゼロで、騒音も大幅低減している。構造部がすべて複合材製でダクテッドファンを装備し、エネルギー管理とモニタリングシステムを備える。2014年4月に初飛行し、2015年7月10日に完全電動の双発電気飛行機として世界で初めてイギリス海峡横断に成功した。

「E-ファン」は今後、量産型のパイロット基礎訓練用2座席装備の電気飛行機「E-ファン2.0」を製造し、次にパイロット免許取得訓練用と民間航空市場向けに4座席装備のハイブリッド電気飛行機「E-ファン4.0」を製造する予定。

エアバス・グループは、フランス・アキテーヌ地方のサポートを受けて、フランス南西部のポー・ピレネー空港にE-ファン2.0の最終組立工場を建設する。初号機の引き渡しは2017年後半から2018年初頭の予定。

また、エアバス・グループは、ロールス・ロイスと共同で研究しているハイブリッド電気推進の旅客機コンセプト「E-スラスト」も紹介した。尾部に埋め込まれた1基の大型タービン・エンジンを使用して電気を生み出し、6基のダクテッドファンを駆動させて推力を出すハイブリッド飛行機のコンセプト。

このほか、航空機組立ラインの効率化を推進するロボットの研究や、3Dプリント技術を部品製造に活用する研究、移動する目標を、映像によりリアルタイムで追跡・検知する機能を持つGO3S地球監視衛星も紹介した。

《レスポンス編集部》

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