【ヤマハ MT-03 動画試乗】排気量320ccの余裕と速さ、走り追求するベテランにも…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
ヤマハ MT-03
ヤマハ MT-03 全 1 枚 拡大写真

『MT-03』は今回同時にデビューした『MT-25』と同じ車体に320ccのエンジンを搭載したスポーツネイキッドモデルである。

違いは排気量のみで車重も同じため、取り回しや跨ったときのライポジも全く同じ。ヒールガードにホール加工がないことなどを除けば、車名ロゴを見なければほとんど見分けはつかない。

それが、走り出すと違いは明らか。まず排気音がひと回り太いし、発進時にクラッチをリリースした瞬間からトルクの余裕を感じる。そのため、極低速でもあまり半クラに頼らずにバランスを取ることができる。

たとえば、市街地の右左折やUターンなどでは、「25」より楽なぐらいだ。ライポジ的にも上体が自然に起きたアップライトな姿勢で目線も高いので、同じプラットフォームを持つフルカウルモデルの『YZF-R3』と比べても、こうしたシーンでは使い勝手がいい。とかくパワーや運動性能に目が行きがちなスポーツモデルだが、実のところ長く乗り続けるためには、普段使いの扱いやすさがキモだったりするのだ。

「03」の最高出力は42psで「25」より6ps上乗せ、最大トルクでは同じく3割増しということで、両者を比べると全域でパワフルだし加速も明らかに速い。ちなみに今回試乗したテストコースでは、直線スピードで10km/h近い差が認められた。

トルクがあるので、スロットルを使った姿勢変化が作りやすく、コーナー入口ではフロントを沈めてターンし、後半ではリヤに荷重を移しつつトラクションで立ち上がっていく、一連の流れを作りやすい。排気量を生かした、よりメリハリのある走りが楽しめるわけだ。

一方で、ウェット路面ではパワーがある分、スロットルワークにやや気を遣う部分もあった。「25」がビギナーから幅広い層に向けたモデルとすると、「03」は走りを追求したいベテランをも満足させられるポテンシャルを秘めていると言えよう。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
快適度:★★★★
タンデム:★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。《佐川健太郎》

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. タワーバーだけじゃない! ボディ補強パーツの最新事情と乗り味革命~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る