トヨタ自動車は10月14日、2050年に向けた環境への取り組みをまとめた『トヨタ環境チャレンジ2050』を発表した。新車走行時の二酸化炭素(CO2)排出量を2010年比で90%削減する一方で、自動車のライフサイクルを通じてCO2ゼロに挑戦することなども掲げている。
トヨタの伊勢清貴専務役員は同日行われた都内での講演で、「今後普及が進む次世代環境車は従来のガソリン車に比べて走行時のCO2排出量はどんどんゼロに向かう一方でリチウムイオン電池やモーター、FCスタックなどは現時点では素材製造や部品製造時のCO2排出量の増加要因になっている」と指摘。
その上で「新車走行時のCO2排出量を大幅に削減するだけではなく、将来的には自動車ライフサイクル全体のCO2ゼロにチャレンジしていく」と表明した。
具体的な取り組みとしては「開発・設計段階から環境への配慮を徹底する必要がある。設計者は環境情報を把握して低CO2材料の開発、使用拡大、材料使用量の削減、部品点数の削減などに取り組む。またリサイクル材を使用するとCO2を大きく削減できることから、今後はリサイクル材料やバイオ材料の開発、仕様拡大、解体の容易な設計など資源効率の向上を目指した開発にも取り組む」と説明した。
ただ新車走行時のCO2排出量削減目標を2050年に90%と明確にしているのに対し、ライフサイクルでのCO2ゼロに関しては具体的な実現時期は示していない。