【ホンダミーティング15】新型 NSX、プロトタイプに乗った!

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ホンダ NSX プロトタイプ
ホンダ NSX プロトタイプ 全 13 枚 拡大写真

紆余曲折を経てようやく2016年春に市場投入されることになったスーパースポーツモデル『NSX』のプロトタイプにごく短時間ながら試乗する機会を得た。本田技術研究所栃木研究所の高速周回路を2周しただけでは何がわかるわけでもないが、プレインプレッションをお届けする。

ミッドシップレイアウト特有の低いヒップポジションのシートに乗り込む。スーパースポーツは得てして乗り降りしにくいものだが、NSXの場合は比較的スルリと出入りできてしまう。コクピットのセンターコンソール部にはセレクタレバー式ではなくスイッチ式のATコントローラーとドライビングモードを選択するダイヤルが設置されている。

まずピットから高速周回路への流入路で全開加速を試してみた。エンジンの最高出力は500psとのことで、当然ながら絶対的な加速性能は高い。加速感については、エネルギーの塊を実感させられる日産『GT-R』や、回転数が上がったときに瞬間移動するようなシャープさを示すフェラーリのV8モデルといったライバルとは異なり、フラットトルクでジェントル。NSXはエンジンに加えて3つの電気モーターを備えるハイブリッドパワートレインを持つが、加減速、高速巡航中ともハイブリッドカーであることを意識させられることはなかった。強いていえば、その加速フィールがハイブリッド的と言えようか。

高速周回路では直線区間でも180km以内で走るよう指示されていたので、それ以上の領域についてはわからないが、高速巡航時のスタビリティは抜群に良かった。試乗当日は木枯らし1号が吹れるあいにくのコンディションで、アキュラ『RLX(日本名:レジェンド)』のFWD(前輪駆動)モデルでも最高速付近では進路を乱されがちであったのだが、NSXはそのような環境下でもゆうゆうとクルーズ可能だった。

エンジンサウンドはとりわけスロットル開度が大きめのときには室内にガンガン入ってくる。高負荷時に意図的に室内に音を呼び込むような工夫がなされているのだとか。その音の質は旧型NSXの「CA32」型V6と似た、金属摺道音と排気音が入り交じった“ギャイーン”というかなりメカニカルなもので、ノスタルジックな雰囲気だ。

あっという間に2周のドライブを終えてピットに戻るさい、150kmからの減速シフトダウンを試した。シフトダウンのときにスロットルを一瞬開けて回転数を合わせるブリッピング制御はとてもよくできていて、4-3-2速とシフトダウンしても減速Gが変わるようなことはなかった。その後、他のドライバーが高速周回路を走行している音を聞いたが、コオーンというなかなか勇ましい排気音。一方、モーター走行で無音で滑り出す姿もあったりと、いろいろとアンビバレントぶりを印象づけられるモデルであった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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