三菱自動車の相川哲郎社長は10月27日に都内にある本社で開いた決算会見で、11月末の閉鎖を決めている米国工場の売却先について「今のところまだ売却先のめどは立っていない」ことを明かした。
相川社長は「これまで複数の会社が工場の見学には来たが、その後のアプローチはなくて、今のところまだ売却先のめどは立っていないというのが現状」と説明した上で、「現時点ではあまり期待できないと思っている」とも述べた。
三菱は7月、米イリノイ州にある工場での『アウトランダー スポーツ(日本名RVR)』の生産を11月末に終了し、今後は岡崎工場に集約することを決めた。米工場は全米自動車労働組合の支援も得て、売却先探しを行うことも同時に公表している。
三菱は同日、2016年3月期の連結業績予想を期初時点のまま据え置くことも発表しているが、青砥修一常務取締役は会見で「米国生産事業撤退に伴う浮揚効果や一時費用については上期末時点で売却先探しが継続中であることから、業績見通しには織り込んでいない」と説明した。