【東京モーターショー15】ジヤトコ中塚社長「2020年までに世界一の自動変速機メーカー目指す」

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ジヤトコ メディア向けプレスブリーフィング(東京モーターショー15)
ジヤトコ メディア向けプレスブリーフィング(東京モーターショー15) 全 4 枚 拡大写真

ジヤトコは10月29日、「東京モーターショー2015」において、メディア向けのプレスブリーフィングを実施した。同社のCVTの可能性と、未来への挑戦について、代表取締役社長の中塚晃章氏が語った。

◆2020年にはグローバルNo.1のAT・CVTメーカーに

スピーチの冒頭で、中塚氏はジヤトコの成長戦略について、次のように説明する。

「自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカーである当社は、その販売数の約8割をCVTが占め、主力商品となっている。1997年以来の累計生産台数は2800万台に達し、グローバルシェアも45%とトップで名実ともに世界No.1のCVTメーカー。これからの成長戦略として、その高い技術力と豊富なラインナップの商品で、2020年までに更なるグローバルNo.1のAT・CVTメーカーになるのが目標だ」。

◆CVT最大のメリットは「フレキシビリティ」

さらに中塚氏は、成長の核となるCVTの可能性は「フレキシビリティ」にあるとし、その要素には大きく次の3つが挙げられるという。

第1のフレキシビリティは「良燃費ゾーンでのオペレーションを可能にする」ことだ。CVTの制約のない自由な無段階変速により、エンジンが最も効率よいゾーンを維持しながら変速でき優れた燃費が実現できるという点。

第2のフレキシビリティは「スムーズな加速・減速」。ドライバーの意志に応じた変速が可能になることによって、ストレスのない、力強い加速が可能になるという。

そして第3のフレキシビリティは「自由自在な変速」だ。同社では、ドライバーの意のまま自由自在な変速が可能な「ダイナミックステップシフト(D-STEP制御)」を採用しており、加速時の車速上昇に合わせ、エンジンスピードがレスポンスよく上昇することで、より加速感のある走行が可能となる。

◆電動化&自動運転への対応いそぐ

最後に中塚氏は、”未来のモビリティ”に対するジヤトコの挑戦について語った。

1つ目は「電動化への対応」。ガソリン車やハイブリッド車への対応だけでなく、欧米をはじめ日本でも普及が予想される電気自動車や燃料電池車など、様々なパワーソースに対応することが求められる。ジヤトコはCVTのフレキシビリティを、あらゆるパワーソースのクルマに対応させることに挑戦するという。ジヤトコではこれを「CVTフューチャーコンセプト」と呼び、サイズ・重量・エネルギーロスをそれぞれ40%削減することを目標とし、そのユニットの研究開発をすすめる。

2つ目は「自動運転への対応」だ。ナビゲーションの地図情報と連動してスムーズに加速・減速を行う「ナビ協調制御」という技術はすでに存在するが、これを進化させ、各自動車メーカーが実用化を目指す自動運転車両にも応用するという。具体的には、前車追従機能(ACC)において、フレキシブルなCVTの特性を活かし、ドライバーにとってストレスのないスムーズな加速・減速・発進・停車を実現する。ジヤトコはこの自動運転と相性の良いCVTの研究開発をすすめていく。

そして最後には「ジャトコは技術でクルマの未来に挑戦し、クルマ社会の未来に貢献したい」という抱負を述べてカンファレンスを締めくくった。

《石原正義》

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