事業用自動車事故調査委員会、昨年9月のバス追突事故で調査報告書を公表

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昨年9月、神奈川県平塚市内の小田原厚木道路上り線で発生した大型観光バスとトラックの追突事故について、国の事業用自動車事故調査委員会は11日、「バス運転手の体調不良が事故につながった」という調査報告書を公表した。

問題の事故は2015年9月26日午後4時10分ごろ発生している。平塚市岡崎付近の小田原厚木道路上り線(片側2車線の直線区間)を走行していた大型観光バスが、故障して第1車線上に立ち往生していたトラックに追突。バスは前部が大破し、同乗していた68歳の男性添乗員が損壊した車体に腕を挟まれるなどの重傷。乗客13人とバスを運転していた57歳の男性、トラックの運転者が軽傷を負った。

トラックは第1車線を塞ぐ状態で停車。現場は見通しの良い直線区間だが、バスはブレーキをほとんど掛けない状態で追突しており、国は昨年6月に発足させた事業用自動車事故調査委員会に特別重要調査対象として調査を実施させてきた。

この結果、バスを運転していた男性には狭心症の症状があったことが判明。衝突地点の約1.2km手前で体調に異変を感じたものの、「客に迷惑が掛かるので次のサービスエリアまで行こう」と運転を継続。ところが約1km走行した地点で胸の痛みが激しくなり、下を向く状態となった。以後もバスは速度を維持したまま走行。衝突地点の手前26mまで達した時点で立ち往生している車両の存在に気づいて急ブレーキを掛け、急ハンドルを切ったがそのまま追突していたことが判明した。衝突地点の手前は坂になっており、トラックが見えにくかったこともわかった。

調査委員会では、バスを運行する事業者に対して「運転者の病歴を的確に把握するとともに、医師の判断に基づいての治療を受けさせるなど、運転者の健康管理を徹底すること」や、「運転者に対し、走行中に体調異常を生じた場合、非常点滅表示灯を点灯させ直ちに車両を安全な場所に停止するよう指導すること」、「遠隔地であっても電話などにより点呼を確実に実施し、運転者の健康状態を把握すること」などを要請している。

《石田真一》

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