日立オートモーティブ、環境にも配慮した「Smart ADAS」技術を公開

自動車 テクノロジー ITS
十勝テストコースに並んだ開発チーム
十勝テストコースに並んだ開発チーム 全 10 枚 拡大写真

日立オートモーティブ システムズは、同社の十勝テストコースにおいて、日立グループが取り組む「Smart ADAS」技術の数々を「第2回十勝メディアデー」として報道陣に公開した。このイベントは昨年秋に続くもので、今年はデモ車両を増やした拡大企画として開催された。

同社は自動車用部品の設計・製造を主たる業務とし、カーナビやカーオーディオを担当するクラリオンと同じ日立製作所のグループ会社である。同社にとってこのテストコースは茨城、神奈川、山梨に続く4個所目で、2006年に取得。スキッドパッドや低μ路に加え、オフロード登坂路や寒地試験炉などが可能な、東京ドーム10個分以上の広い敷地を備える。これにより、様々な環境下での実車走行テストが可能になったという。

同社が掲げる「Smart ADAS」とは、世界中のサプライヤーが鎬を削るADAS(先進運転支援システム)技術にとどまらず、省エネなどの環境性や乗り心地といった快適性の向上にもADASを活用することがポイント。同社はこれを商標化し、より高付加価値で賢いADASの技術開発を進めるとしている。また、同社はスバルと共同開発した衝突被害軽減ブレーキ「Eyesight(アイサイト)」のハード部分を担当したことで知られ、その高い技術力はJNCAP(自動車アセスメント)での高評価にも現れているところだ。

今回、十勝テストコースで行われたイベントでは、開発中の以下6つのプログラムが用意された。

(1)自律走行システム(自動運転レベル2)
(2)センサーフュージョン(360度検知システム)
(3)前方ロングレンジレーダー
(4)スーパーARヘッドアップディスプレイ
(5)自動駐車システム
(6)プレビュー セーリングストップ

(1)は、先行車追従とレーンキープをしながら車線の自動変更を行うもので、車車間通信による障害物としての自動検知も含まれた。

(2)は、(1)を実現するために使われた各センサーを使い、周囲360度を検知できている状況をモニター上で確認できるデモンストレーション。

(3)は、ステレオカメラでは検知できない200m以上の遠距離を検知するホーン型77GHzミリ波レーダーのデモ。

(4)は、遠近感を実感できる「自由曲面光学技術」を活かしたもので、従来の平面的なヘッドアップディスプレイでは得られないHMIを実現した。

(5)は、カメラによる周辺障害物と駐車可能空間の認識を使った自動駐車システム。どんな停止位置でも自動的に並列/縦列駐車が行えるのを特徴とする。

(6)は、ACC動作中にエンジン停止が可能なシーンを予測してエンジンを適切に停止させる技術。アイドリングストップや気筒休止技術を一歩先に進めた技術として注目された。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  3. カワサキ『Ninja ZX-25RR』を日本初導入、価格は105万2700円 スタンダード版「25R」は廃止
  4. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  5. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る