【スマート フォーツー 試乗】トレッド拡大で激変した乗り味…森口将之

試乗記 輸入車
スマート フォーツー
スマート フォーツー 全 16 枚 拡大写真

走りはじめてまず感じたのは、乗り心地がしっとりしていたこと。これまでのスマート『フォーツー』は、短くて幅が狭くて背が高いボディをなんとか安定させようと、サスペンションを固めていた。だから終始ヒョコヒョコしていて、遠くへ行こうという気が起きなかった。それが新型では激変していた。

【画像全16枚】

数年前、フランスにあるルノーの研究開発施設に行ったとき、トレッドを広げた先代フォーツーが止めてあったことを思い出した。乗り心地の改善は、全幅を広げた結果とともに、リアエンジン経験に長けたルノーとの共同開発の成果とも言えそうだ。さすがに高速道路では、1875mmしかないホイールベースゆえピッチングが出るけれど、それ以外は不満なし。

トレッドが広がり、足回りがしなやかに動くようになったことで、ハンドリングも安定感が増した。転がりそうな恐怖感はなく、ステアリングレスポンスを意図的に鈍くしたり、ESPを早めに効かせたりということもない。ショートホイールベースのリアエンジンならではの、クイックな身のこなしと立ち上がりでの押し出し感がストレートに味わえた。

トランスミッションがシングルクラッチからデュアルクラッチになって、加速時の息つきが消えたのも新型の美点。ただ旧型より100kgほど重くなったボディに対して1リットル3気筒の自然吸気エンジンは、一般道では満足の行く加速を示すものの、高速道路ではもう少し余裕が欲しいと感じた。

復活した『フォーフォー』は来年1月頃発売ということで、撮影のために動かす程度だったけれど、それでもリアエンジンらしい挙動を味わえた。後席は身長170cmの僕が座ると、ひざの前、頭上ともに手のひらが入る程度。広くはないが不満なく過ごせる。ホイールベースが2494mmに伸びているので、乗り心地方面もさらに期待できそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得 意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

《森口将之》

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