【トヨタ プリウス プロトタイプ 試乗】正常進化ではない、評価軸がいきなり高くなった仕上がり…岩貞るみこ

試乗記 国産車
トヨタ プリウス プロトタイプ
トヨタ プリウス プロトタイプ 全 16 枚 拡大写真

ついに1リットルあたり40kmを超えてきた『プリウス』である。その攻めの姿勢はデザインで十分に表現されている。

トヨタらしさを残しながら、シャープで鋭利な印象のライト類。面というより線で構成されているようで、細い切っ先が心に突き刺さる。フロントマスクはもちろんリアスタイルも特徴的で、高速道路で見かけたら思わず「お!」と見入ってしまいそうだ。

最近、高速道路ではプリウスばっかり走っていると思えるほどの状況だが、第一印象が似ている2代目~3代目に対し、明らかに異なるメッセージ性を持つ4代目なのである。

質感を上げたというインテリアだが、センターコンソール周辺、特にドリンクホルダーあたりの好みは人によって分かれるところ。ええと、正直なところ、私はうーむ。だって玩具みたいなんだもの。しかし、うねりを感じさせる窓枠周辺のあしらいや、広くなった後部座席の足もとなど大胆に緻密に計算して、挑戦してきた技術者の気合が感じられる。

これまでと明らかに異なるのは、足まわりと音である。ハイブリッド性能はよくとも、ばたばたとした荒っぽさがあった先代。これに対し、しっかりとしたボディの作りこみがすぐにわかる。

特に17インチタイヤを履かせたサスペンションが秀逸で、路面の段差にタイヤが当たったとき、乗り上げたとき、乗り越えて下に落ちたときという一連の動作のなかで、不快な振動をドライバーに伝えない。

15インチでもいいのだが、17インチはそれを「はるかに」超える仕上がりで、「内臓への衝撃」が激減しているのがすごい。また、加速していくときの音も静か。速度と耳から聞こえる感覚がリニアになり、ハイブリッドの静粛性を実感できる。正常進化というけれど、トヨタのなかで評価軸がいきなり高くなったぐらいの仕上がりぶりである。

■5つ星評価
パッージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る