交通事故発生からドクターヘリ出動まで迅速化図るシステム…「2018年の本格運用につなげる」

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救急自動通報システム説明会
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NPO法人の救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)はトヨタ自動車やホンダなどと共同で、ドクターヘリやドクターカーの出動を早期に判断する救急自動通報システム(D-Call Net)の試験運用を11月30日から開始すると発表した。

D-Call Netはエアバッグが展開するような自動車事故が発生した際に、新開発した死亡重傷確率推定アルゴリズムを用いて乗員の傷害程度を推定し、ドクターヘリ基地局病院に通報することで、出動判断のためのデータを即時に提供する仕組み。

HEM-NetではこれまでAACN(先進事故自動通報システム)を用いて、9つの基地病院で実証実験や、地域の消防と連携した通報訓練や実働訓練を実施。課題の洗い出しやその対応策を講じてきた。今回、より精度を高めたアルゴリズムも新たに開発したことで、D-Call Netの名称のもと、実験から試験運用へと踏み出すことになる。

HEM-Netの益子邦洋理事は「9つの基地病院で順次、実証実験や通報実働訓練を行い、本日より試験運用を開始する。そして引き続きD-Call Netに協力頂けるドクターヘリ基地病院の拡大を積極的に進めていきたい」と述べた。現在、ドクターヘリを配備する基地病院は全国に46か所あるという。

一方、車両側で現在、D-Call Netに対応しているのはトヨタ自動車とホンダの一部車種に限られているが「今後とも多くの車種への普及をお願いしていくとともに、さらに多くの自動車メーカーへの参加を働きかけていきたい」と益子理事は語る。

また試験運用の実施で「D-Call Netを通じてドクターヘリが出動する事例が出てくる。アルゴリズムの精度向上も飛躍的に進むと期待している」とも話していた。

今後については「D-Call Netの効果検証、アルゴリズムの評価、関連省庁との連携が必要な救急オペレーションの評価など様々な検証を行い、2018年の本格運用につなげていく」としている。

《小松哲也》

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