【テスラ モデルS P85D 試乗】クルマ好きの心にもササる圧倒的な加速…島崎七生人

試乗記 輸入車
テスラ モデルS P85D
テスラ モデルS P85D 全 8 枚 拡大写真

昔、クルマのコンソールにUSB端子が初めてついたのを見て感慨を覚えたことがあった。が、テスラに至ってはもはやその比ではなかった。

17インチのタッチスクリーンに“周辺機器”として本物のクルマがついている感じ。いっそ画面上で指2本でクルマをクルッと旋回…そんな気分にさえなる。

が、最新のモデルS P85Dは“周辺機器”などではなかった。「これは昔からのクルマ好きにも十分にササるのではないか」と思えたからだ。その理由はほかでもない、このクルマの圧倒的な加速。走行モードを“インセイン”にし、身体がツブされそうな空母の上で離陸するジェット戦闘機レベルの加速Gは、邪念(?)などとっくに押しつぶす。“F”や“P”のスポーツカーに乗らずとも『テスラ』を選べばよいだけなのだから、話は早い。0-100km/h加速は3.3秒で、007に登場するあのアストンマーティンの『DB10』(同・4秒)をも上回っている、のである。

加速だけじゃない。ビークル・ダイナミクスも周到な仕上がりぶり。大柄だがミシリとも言わないボディは、始めから上級サルーンに相応しい乗り味、ハンドリングをモノにしている。聞けば“改良”は随時、細かく入っていて、タイヤノイズの対策は新しい個体ではレベルアップしていたりするという。“M”や“B”のフラッグシップセダンを望むユーザーの気持ちをも捉えて離さないポテンシャルを感じる。

ある意味で、制約なく理想を形にしたEVだ。528kmの航続距離の長さもバッテリー容量の余裕がなせる技でもある。とはいえ見れば(乗れば)一層、クールさに惹かれるクルマだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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