10月末、鈴鹿サーキットで開催されたスーパー耐久最終戦では、スーパーカーをずらりと並べる屋外展示イベント「見れる!聞ける!乗れる!スーパーカーコレクション」を主催したオイルブランドのカストロール。カストロールとモータースポーツの関係は強く、古くはカストロールカラーのGTスープラや、WRCセリカの姿に、はじめてカストロールというブランドを意識した人も多いだろう。近年では、フォルクスワーゲンやアウディ、ホンダなどとタッグを組み、モータースポーツを支えている。
フォルクスワーゲン モータースポーツとのパートナーシップは、2005年よりスタート。ディーゼルエンジンを搭載した「レーストゥアレグ」で参戦したダカールラリーでは、2009年から2011年までの3年連続優勝を獲得。また2013年に初参戦したWRC(世界ラリー選手権)では、「ポロ R WRC」を駆り、デビューシーズンにドライバーズタイトルとマニュファクチャラータイトルを獲得するなど、輝かしい戦績を残している。
アウディとは2011年からのWEC(世界耐久選手権レース)での協力関係を皮切りに、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)での活動もサポートする。WECといえば、世界的にも有名な24時間耐久レースの最高峰「ルマン24時間」があるが、ディーゼルハイブリッド「R18 eトロン」で参戦するアウディはカストロールとの連携以降、4勝を飾っている。
こうした勝利の立役者としてレース活動を支え続けているのが、カストロールのエンジンオイル『カストロールEDGE』だ。主要自動車メーカーが販売するハイパフォーマンスカーのエンジンオイルとしても採用されるカストロールEDGEは、液体チタンを配合する独自の新技術チタンFST(チタン油膜強化技術)を採用し、「カストロール史上最強のオイル被膜」を実現。高速走行、長距離走行、街乗り、ストップ&ゴー等、あらゆるドライビングにおけるエンジン内部の金属パーツ同士の接触と摩耗を劇的に低減し、エンジンを確実に保護。厳しい条件が求められるモータースポーツにおいても高い信頼性を実現している。
カストロールEDGEのオイル皮膜は、液体チタンを配合していない旧EDGE商品と比較して、どのエンジン回転数においてもエンジン内部の金属パーツ同士の接触を15%軽減、他社の全合成油商品に比べ約60%軽減することができるという。さらに、オイル皮膜の耐久性においては他社全合成油と比較して30%以上優れ、約128時間持続することが実証されている。
こうした「史上最強のオイル被膜」によってレースをサポートするのはもちろんだが、レースによって培われた経験や、共同開発の成果が市販オイルにフィードバックされているという点も、カストロールのブランド力を高める要因となっていることは間違いない。ルマン24時間レースでいえば、1周13kmのコースを文字通り24時間、最高350km/h、平均240km/hものハイスピード&高負荷状態で走り続けるわけで、エンジンそしてエンジンオイルにとってはこれ以上にない究極のテスト環境であり、その耐久性を照明する場であるといえる。
カストロールはこのほかにも、WRCでフォードと、WTCC(世界ツーリングカー選手権)ではホンダと、ヨーロッパラリー選手権でVWグループのシュコダ、またボルボのレーシングパートナーであるポールスターレーシングチームなど、世界の名だたるメーカーやレース選手権をサポートするだけでなく、地上最速記録1000mph(約1600km/h)をねらうブラッドハウンド・プロジェクトにもカストロールEDGEを用い参加している。
まさに「油断ならない」カストロールのエンジンオイルとモータースポーツの関係。これらは一例に過ぎないが、さまざまな自動車メーカーが市販車向け純正オイルとして採用する理由のひとつは、ここにありそうだ。