【シトロエン C4 試乗】もっとアクが強くてもいいんじゃないか…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
シトロエン C4 改良新型
シトロエン C4 改良新型 全 16 枚 拡大写真

フレンチのいいところは、クセのあるところ。ブルーチーズの臭みが好きっていう、あの感覚に近いものがあると思う。

そこへきて、『C4』の顔つき。グリルの部分がシトロエンマークになっていて、それはそれでいいんだけど、もっとアクが強くてもいいんじゃないかと思う。もっともっと、シトロエン、乗っています! とわかるもの。免許のない女子中学生でも、クルマにうとい草食男子でも、「あのクルマ、なに?」と指差して聞いてくるような。ふつうとはちょっと違うものが好きという、自分の個性を主張できるデザイン=フロントマスクを期待しているだけに、ちょっと物足りない気がする。

1.2リットルのターボ・エンジンに組み合わせられたのは、6AT。これまでは、DCT系が大流行してモテモテだった欧州だが、最近、ATに戻る傾向にある。ATのコンパクト化、燃費の向上がその理由らしいけれど、MTベースで作りこまれたDCTの機械的な雰囲気は、シトロエンのゆるいイメージには似合わないから、AT、大歓迎である。

走り出すと、6速でも十分になめらかで、不満を感じるところはひとつもない…と思っていたら、アクセルをオンオフしていると、どこからか息をするような音が聞こえてきた。アクセルペダルの動きに合わせてス~ッ、ガラガラガラ…。これが、一度気になりはじめるとずーっと気になる。耳について仕方ないのである。これもフレンチのクセと割り切れる人にはいいのかもしれないけれど。

ライバル車がひしめくこのクラス。個性勝負のシトロエンが個性を消したとも思えるスタイルでどうするんだ。日本市場におけるシトロエンの立ち位置は、開発している本国フランスとはちがうんだけどな。そんなことを、ス~ッ、ガラガラガラの音を聞きつつ思ってしまった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る