サムスン、極薄スマホA8とスマートウォッチS2に続く新戦略発覚

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サムスン電子ジャパンの堤氏(右)と糸櫻氏(左)
サムスン電子ジャパンの堤氏(右)と糸櫻氏(左) 全 10 枚 拡大写真

 サムスン電子ジャパンは8日、フルメタルボディの極薄スマートフォン「Galaxy A8」などGalaxy新製品を発表。今後に向けたブランドの事業戦略については、サムスン電子ジャパン 代表取締役 最高執行責任者の堤浩幸氏が記者発表会に登壇して説明を行った。

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■スタンドアロンでの進化から「IoT」へ

 同社は2010年から日本でスマートフォン製品を展開してきた。堤氏はこれまでの事業展開について、「この5年間の経験から、ユーザーがGalaxyにどんな機能やデザインを求めているのか把握してきた。その蓄積をもとに、今年も4月にS6/S6 edgeを発表して好評を得ている」と説明。また、現在の市場に関して、「国内では2008年以降もスマホは伸びているが、フィーチャーフォンの人気が根強い。またMVNOの登場で料金体系についても活発な議論が交わされ、モバイルエンターテインメントのパラダイムシフトが起きている。このような時期に、サムスンがこれから注力すべきは『IoT』だと考える」と分析を交えながら話した。

 堤氏はさらに「IoTについては、まだ実体がよく分からないという声も多い。当社はこれが全ての新しいビジネスモデルの源泉になると注目している。IoTをいち早く具体化していくことがサムスンのミッション。本日発表する製品も全てIoTに紐づいている」としながら、IoTまわりの市場が年々成長を続けるなか、IoTにつながる可能性を持った「デバイス」にとりわけ市場の関心が高いと説く。

 「今後はIoTソリューションの多くがスマホにつながってくる。現状はまだスタンドアロンで使うデバイスが多く、スマホとつながることによるIoT的なシナジーが生み出せていない。でも、だからこそIoTの伸びしろはとてつもなく大きい。さまざまな可能性をつなげることが大きなチャレンジになるだろう」と意気込む。

■MVNO向けソリューションは「適切なタイミングをみて検討したい」

 なお本日は、MVNO向けのソリューションに関連する発表はなかった。これに対して堤氏は「市場が変動していると認識しているし、MVNOの可能性が大きいことも感じている。市場を観察しながら適切なタイミングで、適切に対応していきたい」とコメントした。

 今回発表された端末がミドルレンジの「Galaxy A8」だけだったことから、どうやら2015年冬から来年初春にかけて国内キャリアではグローバルモデルとして展開されている「Galaxy Note 5」が取り扱われない見込みも高まってきた。堤氏は「これまでNoteシリーズを愛用されてきた方々を中心に、新しいNoteシリーズへの要望が多いことは事実。ただ今シーズンはサムスンのIoTに向けた第一歩に踏み出すことを優先した。日本の皆様に向けた新しいソリューションを検討していきたい」とし、Galaxyシリーズを起点としたIoT関連のソリューションを、より広範なユーザーに届けるためのミッドレンジに戦略の重点を置く考えを示した。

■スマートウォッチ「Gear S2」、ドコモとauなどが展開

 堤氏は引き続き、新製品に関する説明を壇上で行った。「Galaxy A8」は、世界各国で先行発売され好評を得た「Aシリーズ」がベース。人気のシリーズが日本市場に初めて導入されることになる。フルメタルのステンレスボディは6mmと極薄ながら、曲がったり故障する心配がないほど筐体の剛性を高く設計しているという。さらにベゼルの幅を約2.5mmと峡額縁設計としたことや、ホームボタンを3回押して小さい画面に切り替えられる「片手操作モード」による、片手持ち操作の利便性もアピールしている。

 スマートウォッチ「Gear S2」については、これからのサムスンが追求するIoTの核になるギアとして堤氏は紹介した。従来モデルはGalaxy端末のみに接続できる仕様だったが、本機ではAndroid 4.4以上を搭載する全てのスマートフォンやタブレットにつなげられるオープンなデバイスに進化した。国内キャリアはドコモとauが取り扱うが、家電量販店やアマゾンでもGalaxyブランドの商品として販売される。価格はオープンだが、通常のスポーツバンドモデルは3万円台半ば、革ベルト仕様のクラシックは4万円台後半ほどの売価が想定される。

 堤氏は「『Gear S2』は中国で先行販売を行い、発売後8時間で18万台の『Gear S2/S2 Classic』が完売した。韓国でも同様に先行販売が好評を博して、約1時間で1,000台の予約を完売している。日本でもそれ以上の売り上げたい」と意気込む。また「本機を軸に、これからのIoTワールドを固めていくためのいろいろなソリューションを創造していきたい」と語った。なお本体には、NFC機能も内蔵されているので、今後は同機能を活用したサービスも広がりそうだ。

 新バージョンの「Gear VR」は、これまで開発者向けとして6月から販売をスタートしている「Gear VR Innovator Edition for S6」をベースに改良を加えたコンシューマー向けモデル。現状「Gear VR」を販売するショップで18日から販売が開始される予定となっている。本日の発表会では、価格に関するアナウンスはなかったが、堤氏は「大体従来モデルの半分ぐらいと考えて欲しい」とコメント。質疑応答の際に記者から「1万5,000円を切るか?」と訊ねられた堤氏は、明確な回答は控えたものの「皆様が納得してくれる価格になるだろう」と返した。

 Innovator Editionと同様、「Galaxy S6/S6 edge」を装着して使うヘッドマウントディスプレイだが、前モデルとの違いは本体を100gほど軽量化し、メガネを掛けたままでも装着しやすいよう端末のアジャスト機能も新設した。精度の高い9軸センサーを内蔵したことで、ユーザーの首の動きと表示される映像の間に発生する遅延を解消。身に着けたまま動いても視認性の高い視聴体験を実現している。

■Facebook、リコー、三菱地所とともに、新サービス創出へ

 堤氏は「Gear VR」について、パートナーであるオキュラスとともに新しいコンテンツの拡充にも力を入れていくとしながら、現在132件がそろう日本語対応のコンテンツについてもさらに増やしていく考えを述べた。またパートナーの拡大についても力を入れる。その一例として発表されたのが、Facebookとリコーの360度カメラ「THETA」シリーズとの連携だ。360度カメラで撮影したコンテンツをユーザーがFacebookに投稿して、これを「Gear VR」で楽しめるようになるというもの。堤氏は「『Gear VR』向けのオフィシャルコンテンツだけでなく、今後は個人のユーザーが製作したコンテンツまで楽しめる世界が広がっていくだろう」と語った。

 さらに「Gear VR」を活用したBtoB向けのソリューションが拡大していることについても言及。その一つが三菱地所で行われている物件紹介だ。360度カメラで撮影した物件情報が、『Gear VR』を使って視聴できるサービスが提供されている。現場に足を運ばなくても、『Gear VR』で物件の様子が確認できるサービスとして好評を博しているという。堤氏はこれを「ビジネスモデルの変革を起こすソリューション」と、期待を寄せた。

 本日発表されたもう一つの新製品が18.4型のフルHDタッチディスプレイを搭載したAndroidタブレット「Galaxy View」だ。堤氏は同機のビジネス的な活路をBtoC向けのみならず、BtoBにも開拓していく考えを語った。「本体が2.7kgと、大画面の割には軽量なので持ち運びやすい。動画が連続8時間再生できる大容量バッテリーも内蔵する。VODサービスとの親和性も高いし、BtoBではデジタルサイネージにも使える」と説明。今後はVOD事業者とのパートナーシップによる提供拡大もありうるのではないだろうか。

 最後にGalaxyシリーズを核とした、パートナー企業との協業によるビジネス展開についても紹介された。Googleとの協業については、14日から3日間、六本木ヒルズアリーナで開催されるAndroidスマホ600台を使ったイルミネーションイベントに多数のGalaxy端末が提供される。また動画配信の「C Channel」とのコラボレーションにより、“クリッパー”と呼ばれるユーザーに動画を撮影・投稿するためのスマートフォンとしてGalaxy Sシリーズを提供するなどサポートを行う。

 堤氏は「これからもGalaxyを中心に、さまざまな形のIoTを創造していく。点から面へ、ひとつのものから大きなソリューションへとビジネスが移行していくだろう。Galaxyは2020年東京オリンピックのワールドワイドパートナー。イベントを盛り上げるためのさまざまな仕掛けを用意していきたい」と意気込みを語った。

IoTへ大きく舵を切るサムスン……Galaxyを軸にした次なるソリューション戦略とは

《山本 敦@RBB TODAY》

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