【トヨタ プリウス 新型】新旧比較試乗、注目は燃費よりシャシー性能

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新型 プリウス プロトタイプと旧型 プリウス(写真は資料画像)
新型 プリウス プロトタイプと旧型 プリウス(写真は資料画像) 全 8 枚 拡大写真

12月9日にトヨタ自動車が発表した第4世代『プリウス』。発表会が行われたメガウェブ近くのミニコースで新旧両プリウスを乗り比べることができた。コースは600mで、タイトターン、パイロンスラローム、中速コーナー、クランク、悪路などで構成される。また、途中で2回の停止がある。

最初に乗ったのは旧型。試乗車は走行距離4000km台という新車に近いコンディション。後期型になって乗り心地やハンドリングが改善されたと聞いていたが、パイロンスラロームやコーナーでの回り込みのもったりした動きは「あー、プリウスだなあ」という感じそのものだった。

ロープやゴムをばら撒いて作った悪路区間における足回りのガタつきぶりは今どきのCセグメントにあるまじき悪さで、ノーマルにもせめて『プリウスPHV』程度の足をおごるべきだったのではないかと呆れた次第だった。

新型は、旧型とまったく乗り味が異なる。600m×2周という短距離では本当のところなど何もわかるものではないが、それでも動きについてのアップデートぶりは容易に体感可能なレベルだった。スラローム区間でのアジリティ(敏捷さ)や定常旋回区間でのぐらつきの少なさは、今日のCセグメントとして十分に納得できる水準に達しているように感じられた。機会をみて長距離ツーリング耐性を試してみたいところだ。

また、短い区間ながら燃費もチェックしてみた。2名乗車、ホットスタートという条件で走行後のオンボードコンピュータ上の燃費表示は、旧型が19.1km/リットル、新型が20.1km/リットルであった。この距離ではクルマの性能差よりハイブリッドシステムのエンジンが何回かかったかということのほうが燃費への影響度が大きいため、あくまで参考値にすぎないが、乗った感覚としては、燃費性能だけでわざわざ2代目、3代目から乗り換えるほどの差は感じられなかった。

キーポイントはやはり、大幅にアップしたシャシー性能のほうであろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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