【トヨタ プリウス 新型】バッテリーの後席下移設で得たメリットとデメリット…新旧パッケージング比較 ラゲッジ編

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トヨタ プリウス
トヨタ プリウス 全 8 枚 拡大写真

新型『プリウス』は低重心パッケージを大きな特徴としている。それはラゲッジ部分にも言えることで、リヤスポイラーの位置を55mm低め、ラゲッジフロアは何と110mmも下がっている。

【画像全8枚】

それを可能にしたのはハイブリッドバッテリーをラゲッジ床下から後席下に移動させたレイアウト変更である。

さて、ラゲッジルームは開口部地上高が10mm下がり(欧米の後突基準で一定以下に下げられない)、これまでラゲッジの床下にあったハイブリッドバッテリーを後席下に移動したことでフロアを110mm下げることができ、容量は先代より56リットル増しの502リットルとなっている。

ラゲッジフロアの実測寸法は、先代が最小幅960mm、最大幅1510mm、通常奥行き880mm、高さ640mm。

一方、新型は最小幅930mm、最大幅1370mm、通常奥行き890mm、高さ710mm。これから読み取れることは、フロアを下げ、荷室高で容量をかせいでいるということだ。

それはそれで進化だが、ちょっと残念なことがある。先代のラゲッジを思い出せば、開口部に段差はなく、後席を格納してもまたフロアはフラットで、まるでワゴンのように使え、荷物の積み込みやすさは抜群だった。が、新型は開口部や後席格納部分の境目に110mm程度の段差ができてしまうのだ(新設定のE-fourモデルはフロアがやや高まり段差が縮まる)。

もっともそれは日本仕様、標準のパンク修理キット装着車の場合だ。OPのテンパータイヤを注文するとフロアは60mm上がるそうで、開口部とフロアの段差は50mmに縮まる。また、輸出仕様の一部にある悪路環境に対応したフルスペアタイヤ装着車は先代同様、開口部とフロアに段差がなく、後席格納時もフロアはフラットになるとのこと。つまり基本はフラット。日本仕様は軽量化とラゲッジ容量拡大のため、パンク修理キット装着として、あえてフロアを低めたと解釈するのが正しいかもしれない。

それはフラットであることより、容量が大きい方がユーザーに“メリットあり”との考え方なのだろう。ちなみにラゲッジ容量を拡大していながらフロア幅が先代より少しだけ狭くなっているが、ゴルフバッグ4セットが斜めに積み込める実用性はしっかりと確保されているから心配はいらない(スペアタイヤ装着車とE-Fourは3セット)。

新型プリウスは最高40.8km/リットルという燃費性能だけでなく、ラゲッジ部分を含む徹底した低重心パッケージ、そしてそれがもたらす走りの質感向上にも大いに注目すべきなのである。

《青山尚暉》

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