VWグループのディーゼル不正、原点は2005年
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これは12月10日、フォルクスワーゲングループがドイツで開催した記者会見の場で明らかにしたもの。同社は、問題発覚後、進めてきた内部調査の結果を開示し、監査役会のハンス・ディーター・ペッチュ会長は、「不正が始まったのは2005年から」と発表している。
同社によると、不正は2005年に始まった。EA189型と呼ばれる2.0リットル直列4気筒ターボディーゼル「TDI」搭載車を2005年、米国市場に投入することを決定。このエンジン搭載車の開発の決定が、不正の原点という。
この「2.0TDI」搭載車は2008年、米国市場で発売。フォルクスワーゲングループによると、限られた時間と予算内で、米国の排ガス規制(NOX)に適合させるのは困難と判断し、違法なソフトウェアに頼ったという。
フォルクスワーゲンは、世界最大の新車市場、中国での販売が好調。しかし、米国市場においては、販売が伸び悩んでいた。2008年のTDI搭載車の投入で、販売を回復させようという焦りが、不正に手を染めた一因と見られる。
《森脇稔》