【WEC】日産、2016年のルマン&WECへのLMP1クラス参戦を取りやめ

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2015年のルマン24時間に3台体制(#21~#23)で参戦した、日産のLMP1クラスマシン「NISSAN GT-R LM NISMO」。
2015年のルマン24時間に3台体制(#21~#23)で参戦した、日産のLMP1クラスマシン「NISSAN GT-R LM NISMO」。 全 8 枚 拡大写真

23日、日産は来季2016年の世界耐久選手権(WEC)およびルマン24時間レース(WEC第3戦)のLMP1クラス参戦取りやめを決定した(リリースによる発表)。悲願のルマン総合優勝を目指した日産の今回の挑戦は、今季のルマンにのみ実戦出場しただけで幕を閉じることになる。

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日産およびニスモは、現在のルマンで総合優勝を争うLMP1クラスへの参戦マシン「NISSAN GT-R LM NISMO」を、英国出身のベン・ボウルビー氏を中心とした開発陣による「空力重視のFFレイアウト」という大胆なコンセプトで製作し、今季2015年のWEC参戦を企図した。主に米国を拠点としてのボウルビー氏ら主導による開発進行だったと見られるが、その遅れ等からWEC序盤2戦への参戦見送りがあり、実戦初登場となったルマンでも現実的にはデータ取り中心の遅いペースによる周回に終始。そしてルマン後にはWECの実戦から再び姿を消し、体制を一新して来季16年に備える、との旨が陣営からは発信されていた。

しかし、レース業界の内外では「諸状況を考えると、このまま完全に姿を消してしまう可能性も高いのではないか」という憶測が渦巻く状況だった。そして実際、年が改まらない段階で「16年参戦取りやめ決定」の報がもたらされることに。1980~90年代から日産のルマン総合初優勝を夢見ていたファンにとっては、残念としか言いようのない事態である。

宮谷正一 ニスモ社長のコメント
「来年(16年)のWEC参戦に向けて(今年の)ルマン直後から組織、体制を見直して全力で車両開発に取り組んでまいりましたが、トップ争いができる競争力を確保するという高い目標を達成することは現時点で困難であるという判断から、日産としてWEC LMP1から撤退するという苦渋の決断を下しました。

これまで応援して下さったファンの皆様をがっかりさせることとなり大変申し訳なく思っております。

しかしながら日産/ニスモは2年連続チャンピオンを獲得したSUPER GTのGT500クラス、世界で活躍するGT-R GT3、そしてLMP2/LMP3のエンジン供給といったモータースポーツ活動をこれまで通り力強く推進してまいります」。

自動車メーカーのグローバル化顕著な現代においては一概論で言えない面もあるし、言葉使いにも留意しなければならないが、今回の日産のルマン挑戦にはどこかしら“日本非主導”なところが感じられたのは確か。もちろんボウルビー氏を中心とする当初の海外サイド開発陣の意欲的な試みを否定するものでもないのだが、もっと日本サイドが、より具体的にはニスモ本陣がもっと大掛かりな関与をするような参戦体制であったなら、こういった展開にはならなかったような気もする。重ね重ね、残念なところである。

リリースには「16年のLMP1クラス参戦取りやめを決定」とあるが、宮谷ニスモ社長の「日産としてWEC LMP1から撤退」とのコメントからは、今回のルマン参戦計画、日産にとって21世紀最初のルマン(&WEC)ワークス参戦は一旦リセット、という状況が推察できる。リリースには「より長期的なレース戦略の策定に集中する」との文言もあるが、17年以降の明確なビジョンを示すものではなく、日産/ニスモが次にルマン総合初優勝を目指すためには新たに参戦機会を生み出すことが必要になった、という見方になるだろう。

現在WECのLMP1クラスにワークス参戦している自動車メーカーはポルシェ、アウディ、トヨタの3社。VW排ガス問題の余波か、ポルシェとアウディが来季のルマンには3台目の追加マシン投入を見送るなどの動きもあるなか、日産の撤退はシリーズ隆盛という観点でもマイナス面助長につながるかもしれない。

《遠藤俊幸》

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