【エンジンオイル講座 vol.6】はじめてのオイル交換 後編…走行直後はNG、温度に注意

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前編では、オイル交換の際に必要なものから、交換前のチェック項目、そしてジャッキアップまでの流れを紹介した。後編ではいよいよ実際にオイル交換作業について紹介する。

「エンジンをかけてオイルを軟らかくしたほうがいい」とか「エンジンは始動せずにできるだけオイルパンにオイルを下げたほうがいい」などいろいろな意見があるが、それらはあまり気にすることはない。ただし、排出されたオイルでやけどするほどにエンジンが暖機されている必要はない。とくに初心者は走った直後に自分でオイル交換するのはやめておいた方が良い。

クルマの状態が安定していることを確認したらドレンボルトにレンチをかけて、少し緩める。この際、軍手などはしないこと。万が一オイルが高熱だった場合、軍手にオイルがかかるとやけどをしやすく、重症にもなりやすい。素手での作業が基本。オイルがにじみ出てくるようになったら、ボルトを外してオイルを抜く。オイルが勢いよく出ると「オイル受け」からはみ出すこともあるので、注意が必要だ。

ドレンから出るオイルがなくなったらドレンボルトを締め付けるが、その際は新しいドレンボルトワッシャーを使うのが鉄則。エンジン側のドレンホールの周りや、ドレンボルトをウエスできれいにぬぐっておくことも忘れずに。ドレンボルトはトルクレンチを使って規定トルクで締め付けるのが理想だが、普通に緩まないように締めればまず問題はない。自信のない人はトルクレンチを使うといいだろう。

オイルフィルターを交換する場合は、オイルが抜けた状態でフィルターレンチを使ってフィルターを取り外す。フィルター取り付け部分からもオイルが排出されることがあるので、その場合は排出しきるまで待つ。といっても非常に少量のはずだ。外したオイルフィルターにはオイルが残っているので、上手に抜き出さないとオイルをこぼすので注意が必要だ。新しいオイルフィルターを取り付ける前に、エンジン側の汚れをウエスでぬぐっておく。フィルターについているゴム製のOリング(オーリング)に、新品のオイルを塗りつけてから手で締め付ける。この際、フィルターレンチは使わずに手で締めるだけ。手にオイルがついているときちんと締められないので、手のオイルはしっかりと落とし、フィルター本体にオイルが付着している際はパーツクリーナーなどでオイルを除去すると締め付けやすい。

取扱い説明書にオイル交換時の量が記載されているので、それよりも少し少なめ(1~2割減)にオイルを入れてレベルゲージで確認。足りない量を少しずつ足しつつ、レベルゲージのハイ-ロー間に収まるように量を調整する。ある程度オイル量が決まったら、エンジンを始動してから再度チェックする。オイルの量については前々回の「スポーツカー編」で書いているので参考にしてほしい。オイル交換後は、少し走ったあとでオイル量とドレンボルト、オイルフィルターまわりからの漏れを確認したい。レベルゲージをきちんと差し込むことも忘れないように。

エンジンフラッシングを自分で行う場合は、オイル交換と同じ要領でフラッシングオイルを入れて、規定の時間エンジンを回してからオイルを排出するという方法でエンジン内部をきれいにする。ちょうど、洗濯の「すすぎ」のような感覚だ。フラッシングオイルは溶剤系ではないものを選ぶようにしたい、溶剤系はパッキンなどを悪くしやすいからだ。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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