【ホンダ シビック タイプR 試乗】その走りは感動的ですらあった…松下宏

試乗記 国産車
ホンダ シビック タイプR
ホンダ シビック タイプR 全 13 枚 拡大写真

『シビックタイプR』はとても良いクルマだった。そんな風に書いたのではほかのクルマと区別がつかないから、ちょっと大げさに表現するなら、感動するくらいに良く走るクルマだった。

【画像全13枚】

何に感動したかといえば、クルマが思い通りに動くことに、だ。アクセルを踏み込むと同時にエンジンが一直線に吹き上がり、ターボの加速と合わせてたちまちのうちに高速域に到達する。特に「+R」のボタンを押して走らせたときの低速域からの加速フィールは強烈そのものだった。

しっかりとした手ごたえのあるステアリングを操作すれば微小な操舵(そうだ)にも反応して確実に向きを変えていく。足回りのキャパシティが高いので高速直進安定性に優れる上にコーナーでの挙動も安定している。それでいて街中でも乗り心地も硬めながら悪くない。ブレーキを踏めば力強い減速Gが立ち上がる。

そんな風にクルマがまさにドライバーが意図した通りの挙動を示すのだ。運転していてクルマを動かしていることの心地よさが感じられ、それが感動的ですらあったのだ。

シビックタイプRはニュルで7分50秒台の最速タイムを記録したクルマで、200km/h超の領域での様々な性能を意図して開発されている。だから、私が一般公道で試したのはほんのとば口に立った程度のことなのだが、それでもタイプRがとても良いクルマであることは十分に感じられた。

惜しむらくは、英国製のクルマを限定販売する形でわずか750台にとどまること。しかも1万人を超える商談の申し込みがあって既に締め切られていることだ。

428万円の価格は絶対的には相当に高い。でも性能や仕様を考えたら割安と思えるくらいである。新車ではもはや手に入らないから中古車でねらうしかないが、初期の注文の中には値上がり期待のユーザーもいただろう。出回り当初の中古車には相当な高値がつくと予想される。少し落ち着いてプレミアムが解消されてから買うと良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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