【ブリヂストン プレイズ PX 発表】“疲れにくいタイヤ”とはどういうこと? 比較試乗で違いを実感

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ブリヂストン PX 試乗会。セダン、ミニバン、軽の3車種についてEX20との比較走行をおこなった
ブリヂストン PX 試乗会。セダン、ミニバン、軽の3車種についてEX20との比較走行をおこなった 全 21 枚 拡大写真

ブリヂストンが8日に発表した「プレイズ PX」のコンセプトは「疲れにくいタイヤ」だ。先代のプレイズは「楽なドライブ」を謡ったエコタイヤという位置づけになるが、新製品のPXシリーズでは、運転中の余分なハンドル操作を少なくしてドライバーのストレスを抑えることで「疲れにくさ」を目指したという。

【画像全21枚】

PXシリーズは、セダン用(PX)、ミニバン用(PX-RV)、軽・コンパクト用(PX-C)がラインナップされ、それぞれが専用設計となっている。ヨーレートの変化を小さくして直進安定性の向上、サイドウォールやショルダーブロックの剛性、形状の最適化(サイド及びトレッド面の非対称形状)による応答性の向上という設計コンセプトのもと、小さい舵角の旋回性能、レーンチェンジのふらつき防止といった性能を高めているのだが、車種ごとに最適な形状、トレッドパターンを採用している。

他にもコンパウンドおよびサイプの工夫によってライフやウェット性能も向上させているというが、なにより直進安定性と応答性の高さから、運転中の操作や修正を少なくすることが、疲れにくさのポイントとなっているとブリヂストンは説明する。それを定量的に評価するため、運転中のドライバーの脳波測定し、EX20とプレイズのストレス値の比較テストも行っており、実際のプレイズのストレス値が低くなることを確認したという。

◆新タイヤのフィーリングや体感性能は?

脳波センサーでは違いが現れたかもしれないが、実際のドライビングではどうなのだろうか。PXシリーズの発表に合わせて、プレス向けの体験試乗会が開催されたので、レポートしたい。

試乗走行は、同社のテストコースで行われた。用意された車種は、レクサス『CT200h』、日産『セレナ』、ダイハツ『ムーヴの』3車種。それぞれがPX(195/65R15)、PX-RV(195/65R15)、PX-C(155/65R14)を装着する。比較タイヤは同じ車両でそれぞれがエコピア EX20、EX20RV、EX20C。

比較試乗ではっきり体感できるのは、事前の説明どおりレーンチェンジで時の違いだ。テストコースの最初の直線にはパイロンによるレーンチェンジコースが設けられている。設定速度は100km/hとのことだが、どの車種でも侵入の応答性が違うことがわかる。PXシリーズのほうがヨーの変化(横揺れ)が少なく、スっと向きが変わってくれる。レーンが変わってハンドルを戻す時もパイロンなり(実際には車線のラインになるだろう)に操作するだけだ。EX20だとどうしても進路変更時にヨーが残ったまま変更車線に戻す操作となってしまい、「揺り返し」を強く感じてしまう。この違いは腰高のミニバン(セレナ)ほど顕著だった。

PXシリーズはステアリング操作に対して動きが自然なため、比較対象がないと性能の違いに気が付かないかもしれないが、その差は歴然だ。違いは体感だけでなく、コース上の次の第1コーナーの侵入速度にも現れる。手前の直線コースでレーンチェンジを行うのだが、操作が少なく車線変更が短時間で終わるので、その後のストレートの伸びが変わってくる。EX20ではヨレた分、同じ加速をしようとしてもワンテンポ遅れてしまう。

また、高速コーナーでハンドルを切り足すような場合、またそれを戻すような細かい微調整が必要なときも、PXの反応はなめらかで、コーナリング中に微妙な修正操作を行っても車がヨレたりすることがなく、安心感があった。

なお、今回設定されたコースは、バンクを使わないため、外周路から第1コーナーのあと内周路に入るため複合コーナーとなっているのだが、ここはオーバースピード気味に突っ込むとスポーツタイヤでもちょっと厳しい。そのため、複合の手前で軽めのブレーキで姿勢を作ってやるとよい。タイヤはラインを外しながらも、この荷重移動でうまく頭をコーナーに向けてやると、インにつきながら複合コーナーの出口で加速することができる。

軽いドリフト状態となるのだが、このときPXは、リアタイヤのねばりもよかった。走行安定性とライフを考えたパターン設計により、スリップアングルが付いた状態、据え切りのときも、ブロックの接地面がうねったりしないよう、グリップが最適化されているという。その効果がコーナリング時のリアのブレークも抑えてくれているものと思われる。

レーンチェンジやコーナリングでは、確かにタイヤの剛性感を感じる。クイックというほどスポーティーではないが、スタンダードタイヤの乗り心地を考えた「ダル」な感じがない。となると、乗り心地がちょっと硬い、ごつごつするのではないかと心配になるが、テストコースであることを考慮したとしても、試乗した65扁平のタイヤで硬さを感じることはなかった。高速道路などでは直進安定性と最小限の操作、ふらつき感の少なさによって、ストレスや疲れが軽減されるというのは十分期待できるのではないだろうか。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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