【プロショップへ行こう】スピーカー装着における匠の技術 パート2…デッドニングは「ビビリ止め」から

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部分的に制振材(レアルシルト)が施工されている、ドア内部の様子。
部分的に制振材(レアルシルト)が施工されている、ドア内部の様子。 全 1 枚 拡大写真

“カーオーディオ・プロショップ”の魅力とバリューをご紹介しながら、併せて、カーオーディオの面白さ、奥深さもお伝えしていこうと試みている当連載。今月のテーマは「スピーカー装着における匠の技術」。その中から今週は、“デッドニング”について解説していく。

最初に、“デッド”という言葉の意味から解説しておきたいと思う。オーディオ用語としての“デッド”とは、「響かない状態」を意味する。反対語は“ライブ”で、意味は「響く状態」である。

そうであるならば、“デッドニング”とは、ドア内部を響かない状態にしていく作業、ということになるのだが、実はそればかりではない。それも含めての「ドア内部の音響的なコンディションを整えていく作業全般」のことを指している。まずはこのことを、頭に入れておいていただきたい。

さて、“デッドニング”の具体的な作業内容について1つ1つご紹介していこう。今週クローズアップするのは、「ビビリ止め」。この作業は、“デッドニング”におけるメイン的な作業である。これがメインであるがために、“デッドニング”と呼ばれていると言っていいだろう。

この作業が必要となる理由は、以下のとおりだ。

一般的にクルマのドアは、主にアウターパネルとインナーパネル、計2枚の鉄板でできていて、その上にさらに、内張りパネルが装着されている。そしてこの2枚の鉄板は、鉄とはいえども厚みがなく、オーディオ的な求めからすると、相当にペラペラなシロモノだ。

スピーカーは、振動板(コーン)を前後に動かして音を発するのだが、表側に音を発するのと同時に、裏側にも音を発している。この音が、ペラペラな金属パネルをいとも簡単にビビらせる、というわけなのだ。

これに対処すべく、“プロショップ”では「制振材」を用い、これを鉄板に貼っていくことでビビリを止めていく。

ただ、ガチガチに貼りまくればいいか、というと必ずしもそうではない。場合によっては、ある程度の“響き”を残すことも必要であったりする。さらには、貼り過ぎれば重くもなり、クルマの動力性能・燃費性能にも影響する。貼れば貼るほど材料代もかさんでいく。

また、使用するスピーカーによって、やり方を変える必要もでてくる。スピーカーユニットごとでパワー差があるので、それに応じたやり方をすべきなのだ。

かくして、ひと言で「ビビリを止める」とは言いつつも、勘案すべき要素が多々ある。それぞれを考慮しながら、その上で合理的かつ効果的に、「ビビリ止め」は行われていく。これにおいても、まさしく「音響的なコンディションを整える」という観点で作業が進められるのである。

今週はここまでとさせていただく。次回は、“デッドニング”における、他の作業内容について解説していく。

【カーオーディオ・プロショップへ行こう♪】スピーカー装着における匠の技術 Part.2「デッドニング その1」

《太田祥三》

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