【ダカール16】ペテランセルが四輪総合6回目の優勝…プジョーは26年ぶりの頂点

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優勝したペテランセル組のプジョー2008 DKR。
優勝したペテランセル組のプジョー2008 DKR。 全 8 枚 拡大写真

現地16日、ダカールラリー2016がアルゼンチンのロサリオでゴールを迎えた。四輪総合優勝はプジョー『2008 DKR』のステファン・ペテランセル(フランス)。四輪では6回目、二輪を含めると個人12回目のダカール制覇となる。プジョーにとっては26年ぶりの優勝。

前半は順調だったものの、後半に入ってセバスチャン・ローブ、カルロス・サインツがアクシデントやマシントラブルで次々と優勝戦線から脱落し、一時は雲行きが怪しくなったプジョー勢。しかし、ペテランセルが牙城を守りきってロサリオに到着した。終盤は後方との差をコントロールしつつの走りで、最終的には2位に約35分の差をつけてのフィニッシュ。二輪と四輪でともに歴代最多の総合優勝回数を誇るペテランセルは、これで四輪でのそれも二輪に並ぶ6回とした。

ペテランセルのコメント
「プレッシャーはかなりのものだった。フィニッシュラインを通過した瞬間、我々は特にストレスフルな最後の3日間から解放されたんだ。この2年(2大会)、プジョーのチームクルーたちは本当によくやってくれた。彼らとともにプジョーの歴史に新たなページを記すことができ、とても嬉しい」。

終盤、後ろを見ながらのコントロールランは、誰よりもダカールの勝ち方を知る50歳の熟練にとっても、全開走行とは違う重圧やストレスのかかる日々だったようだ。ペテランセルの優勝はMINI時代の2012~13年に連覇をして以来で3年ぶり。04年に三菱で四輪総合初優勝して以降、三菱での計3勝を含め、大会中止となった08年を除く直近12大会で6勝ということになる。前回大会からワークス復帰したプジョーにとっては、4連覇を達成した1990年以来の勝利。MINIの連覇を4で止めた。

なおペテランセルに関しては、ラリー中にライバルのMINI勢からステージ8における給油規定違反の嫌疑が持ち上がった件があった。主催者が罰則なしの裁定を下したのち、MINI側がFIAの上級審にあたる場にこの問題を持ち込む姿勢を見せ、ダカール公式サイトには当初、審議に3日ほどを要する、ラリー終了前に決着、等の見込みが記載されていたのだが、のちにこれが「30日ほどを要する」に書きかえられている(ラリー終了前~の文章は削除された)。現時点までに明確な動きが見られないため状況判断が難しいところだが、MINIを走らせるX-raid チームは最終結果を伝えるチームレポートにおいて、「プジョーのペテランセルは依然としてアピール(抗議)に直面しており、ダカールの結果は暫定である」との一文を記載している。

四輪総合の上位結果は以下の通り(ゴール時点)。

1位 S.ペテランセル(プジョー)
2位 N.アルアティア(MINI)
3位 G.ドゥビリエ(トヨタ)
4位 M.ヒルボネン(MINI)
5位 L.ポールター(トヨタ)
6位 N.ロマ(MINI)

2年連続3度目の優勝を狙ったアルアティアは2位でのゴール。終盤は3位争いが僅差での展開となったが、ダカール優勝経験者のドゥビリエがWRC(世界ラリー選手権)での高実績を誇る“新人”ヒルボネンを振り切った。ヒルボネンは終盤のステージでトップとなるなどしたが、総合の表彰台には2分半ほどの差で届かず。「TOYOTA GAZOO Racing SOUTH AFRICA」からはドゥビリエとポールターの2台がトップ5入りしている。プジョー勢ではC.デプレが7位、ローブは9位(サインツはリタイア)。

南米開催8回目の今大会は、天候等の影響による当日のステージ距離変更が多かった印象。また、観客を巻き込むアクシデントも発生するなど、混乱も少なくなかったといえるが、「砂漠のライオン」と呼ばれるプジョーが復権を果たした大会として記憶されていくことになるのかもしれない。

《遠藤俊幸》

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