沖縄観光に小型EVシェア、トヨタ友山専務「地域に喜んでいただくのが重要」

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ちゅらまーい Ha:moに使用されるコムス
ちゅらまーい Ha:moに使用されるコムス 全 6 枚 拡大写真

1月18日、トヨタ自動車は沖縄県本部半島で、観光地型EVシェアリング「ちゅらまーい Ha:mo」を開始した。約1年間かけて行われるこの超小型EVシェアリングの実証実験について、トヨタ自動車でIT・ITS本部、本部長を務める友山茂樹専務執行役員に話を聞いた。

超小型EVシェアリング「Ha:mo(ハーモ)」を「トヨタの次世代自動車ビジネスの中核に育てていきたい」という友山氏。「トヨタが行うのは車両、システム、サービスの提供」と、あくまで実際の運営は地域にまかせるとした。

沖縄県本部半島での実証実験にこぎつけたものの、準備期間は2年にも及んだ。「超小型EVを広げるにあたり、観光地モデルと言ったら沖縄だろう、 と。いろいろな人から話を聞き、地域の観光協会やホテル事業者、レンタカー事業者を巻き込まないとなかなか成功しないということで、その準備をずっとしてきた」と、長きに渡る準備期間の苦労を語った。その結果、「観光協会から一番興味を持っていただいたのが、本部町の周辺だった」と、ここ本部半島で実施に至った経緯を説明する。「彼らがやりたいと言ってきてくれたので、我々もいろんなアイデアの中から、現地での対応とか、情熱も含め、まずここで始めるのが 一番いいだろうと判断した」。

周りの自治体からも興味を持ってもらっていると言う友山氏。「一度ここで軌道にのせて、(他の自治体には)必要に応じて相談させてもらいたい。観光地型ハーモを最終的には日本全国に広げていければ素晴らしいと思っている」と、今後の発展にも言及した。

12月末までの期間限定となる今回の実証試験だが、「成果によってはその後も続けていきたいし、いかなければいけないと思っている」という友山氏。「これから観光のピークになってくるので、プロモーションも含め、いろんなかたちで告知をしていかなくてはならない」。

ちゅらまーい Ha:moの車両には、トヨタ車体が生産する『コムス』が使用され、ナビゲーション用にタブレットが装備されている。「タブレットのコンテンツが非常に重要。コース作りに関しても、誰もが行くようなところではなく、小道に入っていかなくてはいけないけれど、とても良いところがあったりする。そういうコースを組んで、デジタル化して、タブレットに載せる」と、基本となるシステム以外のコンテンツの重要性を語った。

「今回は観光協会の人にかなりやってもらっ た。当然、事業主体としてのある程度責任を持っていただく必要があるし、コンテンツを提供していただく必要がある。今回は特に若い人たちが情熱を持ってその部分を相当やってくれた。トヨタよりもむしろ彼らが行政関係者とか自治体とか説得して回ってくれたり、場所を提供してもらうために交渉とかやってもらっ たので、そういったことが非常に重要だと思う」と、今回の実施にあたり、地域の協力があってこそ実現したということを強調。「こういう地域振興型のモビリ ティは、地域が情熱を持って取り組む必要がある」。

本部半島は友山氏にとって思い出の地でもあるという。「元々、本部半島の今帰仁町は僕が30年以上前に新婚旅行で来た場所。その頃はまだ観光化されていなかったが、素晴らしい観光資源に驚いた。本部半島は昔の沖縄が数多くそのまま残っているところだなと、30年前に思った。縁がある場所」。

最後に友山氏は「(地域型ハーモは)地域の振興に寄与できなくてはならない。また、地域に喜んでいただくというのがすごく重要」と、トヨタが取り組む社会貢献としての地域活性化と、地域連携の重要性を強調した。

《関 航介》

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