【プロショップへ行こう】スピーカー装着における匠の技術 パート4…背圧のコントロール

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レアルシルトディフュージョン(拡散・反射・吸収材)
レアルシルトディフュージョン(拡散・反射・吸収材) 全 1 枚 拡大写真

“カーオーディオ・プロショップ”のバリューを多角的にご紹介しながら、カーオーディオの面白さをもお伝えできたらと考えている。今月のテーマは、「スピーカー装着における匠の技術」。その4回目となる今週は、「背圧のコントロール」という項目について解説していく。

ところで、“背圧”とは何か。読んで字の如く、「スピーカーの背面から発生される圧力」のことである。スピーカーは振動板を動かすことで空気を振動させて音を出すのだが、その現象はスピーカーの裏側でも起こっている。

そしてこの“背圧”は、なかなかにやっかいな存在だ。ドアの中で“悪さ”をするからである。どんな“悪さ”かというと、1つが、ドア内部の鉄板や内張りパネルを共振させること。もう1つが、スピーカーの動きにストレスを与えること。これらが引き起こされるのを防ぐためのメニューが、「背圧のコントロール」というわけだ。

ところで、「背圧がスピーカーの動きにストレスを与える」というのは、どのようなことなのだろうか。

まず、ドアに取り付けたスピーカーのすぐ後ろ側には鉄板(アウターパネル)がある。これがあまりに近いところにあるがゆえに、“背圧”が鉄板に跳ね返り、スピーカーに戻ってきてしまう。振動板はスムーズに動きたい。しかし後ろ側から戻ってくるエネルギーがそれを邪魔する…。という次第なのである。

さて、“プロショップ”はどのように“背圧”をコントロールしているのだろうか。

やり方は2種類ある。1つは、吸音材を入れて“背圧”を吸収しようとする方法。もう1つは、拡散材を用いて“背圧の跳ね返る方向を変える、という方法だ。

2つのうちのどちらが採用されるかは、ケースバイケースだ。“プロショップ”は、スピーカーの特徴や組み合わせるパアーアンプの性能等を勘案しながら、その都度ベストな素材、ベストな方法を模索する。吸音材、拡散材の両方が使われるケースもある。

ちなみに、各部材はカー用のものが使われている。ドアの中には水が浸入してくるので、水に強い必要があり、温度変化にも強くなければいけないからだ。

なお、今月の1週目でお題とした“インナーバッフル”にも、「背圧をコントロールする」という機能が付加されている。ギリギリまでスピーカーを持ち上げてアウターパネルとの距離を稼ぎ、かつ、“インナーバッフル”の内側に傾斜をつけて、“背圧”を逃がせるような工夫が施されることもある。

以上が、“カーオーディオ・プロショップ”で行われている「背圧のコントロール」のあれこれだ。

さて次週は、ドア内部で行うべきもう1つのメニューについて解説していく。次週もお付き合いいただけたら幸いだ。

【カーオーディオ・プロショップへ行こう♪】スピーカー装着における匠の技術 Part.4「背圧のコントロール」

《太田祥三》

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