【MINI クラブマン 試乗】最上の乗り心地とドッグフレンドリーカーの資質を手に入れた…青山尚暉

試乗記 輸入車
MINI クーパー クラブマン
MINI クーパー クラブマン 全 14 枚 拡大写真

「MINI初のプレミアムコンパクトセグメント」モデルとして登場したMINI『クラブマン』は、”ミニ”と呼ぶにはちょっと大きすぎるほどだ。

何しろボディーサイズは全長4270×全幅1800×全高1470mmもあり、ホイールベースも2670mmに達する(基本の3ドアミニは全長3835×全幅 1725mm、ホイールベース2495mm/先代に対して全長で290mm、全幅で 115mm拡大)。

とはいえ、MINIのワゴン版として室内空間のゆとり、装備の充実度を含め、かなり実用的になったと断言できる。一例を挙げれば、ラゲッジの容量は先代260リットルに対して360リットルまで拡大。後席居住空間も格段に広くなり、合わせて後席が新たに4:2:4分割になったことでシートアレンジも自在。4人乗車で長尺物の積載も容易になった。

ちなみにラゲッジの寸法は先代が奥行き530mm、幅930mm、最大フロア奥 行き1100mmに対して新型は同720mm、1020mm、1350mmとなっている。ラゲッジには左右にネットポケット、床下に広大なボックス、観音開きバックドア内側左右にもポケットがあり、収納力もまた完璧。フロアボードが立てて 固定でき、ワンタッチで戻せ、足でバックドアをオート開閉できるなど、コンパクトワゴンとして使い勝手は抜群と言うしかない。

しかし、新型クラブマン最大のハイライトは間違いなく乗り心地である。ロングホイールベースが利いた乗り心地はMINIというより上級セダンを彷彿させるしなやかさとフラット感の持ち主。とにかく路面を問わず極上かつMINI史上最上の快適感ある乗り心地を味わせてくれるのだ。

その証拠に、「ゴーカート」になるはずのスポーツモードを選択しても、ほかのMINIとは違い、ハネるような往年のMINIらしい!? 挙動とは無縁。もちろんスポーティーな走り、乗り味に変化するものの、決して同乗者から不満がでるような乗り心地にはならないのである!

つまり、大きく超実用的なMINIのワゴン、大人のMINI…というのがクラブマン。試乗した「クーパー」は1.5リットルターボ、136psを発生するが、加速力は上質でウルトラスムーズ。JC08モード燃費17.1km/リットルも大いにほめられる経済性である。さらに、MINI史上最高のドッグフレンドリーモデルとも言えるのだから楽 しい。

犬はラゲッジ側の開口部地上高が700mmと高いことからリヤドアから乗せるのが基本だが、後席クッション部乗降は560mmとごく低く、中大型犬はもちろん 、ジャンプ力のある小型犬なら楽々飛び乗れる高さ。

後席に乗ったあと、4:2:4分割の左右どちらかを倒せばラゲッジに乗り移ることも容易。しかも犬を広々としたラゲッジに乗せても、4:2:4分割の中央2部分を倒すことで、前後席の飼い主とアイコンタクトができ、なおかつクラブマンには後席エアコン吹き出し口が完備されているから、犬も安心・快適である。大型犬と小型犬を飼っているボクとしても、間違いなくドッグフレンドリーカーとして候補に挙がる1台である。これでラゲッジ側からも犬が乗降できれば最高だが、欧米の後部衝突基準からすれば 、リヤバンパー/ラゲッジフロアの高さはいたしかたないところだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る